2015年12月31日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題54





問題54  機能性尿失禁がある利用者の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 症状の改善に、骨盤底筋群を鍛える体操が効果的である。

2 尿路の疾患が疑われるので、泌尿器科の受診を勧める。

3 トイレを洋式に替えて、洗浄機能付き便座を設置する。

4 留置カテーテルを使用する。

5 早めのトイレ誘導を行う。



正答:5


排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因でおこる尿失禁です。早めのトイレ誘導が必要です。


尿失禁は症状のパターン

1 切迫性尿失禁
2 腹圧性尿失禁
3 溢流(いつりゅう)性尿失禁
4 機能性尿失禁
5 混合型尿失禁

2015年12月30日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題53





問題53 おむつ交換時に配慮することとして、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 他の利用者がいる場合でも「おむつを替えますよ」と直接的な表現で伝える。

2 清拭(せいしき)用の温タオルの温度を感じるために、手袋は使わずに陰部を拭(ふ)く。

3 陰部洗浄をする場合は、ぬるま湯を使う。

4 紙おむつの腹部のテープは、上のテープと下のテープを平行に止める。

5 腹部とおむつの間に隙間(すきま)を作らない。



正答:3


2015年12月29日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題52





問題52 入浴介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 埋込式ペースメーカーを装着している人は、シャワー浴にする。

2 人工(じんこう)肛門(こうもん)(ストーマ(stoma))のある人は、湯が入らないように装具をつける。

3 酸素療養中の人は、鼻カニューレを外して入浴する。

4 血液透析を受けている人は、透析直後の入浴を控える。

5 腹水がある人は、様式タイプの浴槽に横たわった状態で入浴する。



正答:4

2015年12月28日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題51





問題51  食品の凝固に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 ゼラチン(gelatin)は沸騰した湯で溶かす。

2 寒天は常温で固まる。

3 片栗(かたくり)粉(こ)は熱湯で溶いてから加える。

4 ペクチン(pectin)は精製塩で固まる。

5 増粘剤(とろみ剤)は添加後、かき混ぜずに提供する。




解答

×1:ゼラチンは冷蔵庫などで、20℃以下で凝固します。

○2:寒天は40~50℃で凝固しますので、常温で固まります。

×3:片栗粉は、水で溶いてから加えます。

×4:ペクチン(pectin)は、糖分と酸で固まります。

×5:増粘剤(とろみ剤)は、加えてからかき混ぜます。

2015年12月27日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題50





問題50  介護が必要な利用者の状況に応じた食事の提供に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 片(かた)麻痺(まひ)の人には、頭部を後屈させて介護する。

2 視覚障害の人には、クロックポジションで説明する。

3 嚥下(えんげ)障害(しょうがい)の人には、食事の温度は体温と同程度にする。

4 構音障害の人には、会話をしながら食事することを勧める。

5 認知症(dementia)の人には、その人が好む献立を繰り返し提供する。




正答:2

2015年12月26日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題49






問題49  Lさん(83歳、女性)は、誤嚥(ごえん)性(せい)肺炎(はいえん)(aspiration pneumonia)の既往があり、要介護2の判定を受けている。週2回、通所リハビリテーションを利用している。今日、通所リハビリテーションに来たLさんは、提供された食事をほとんど食べていない。食事以外に摂取している水分は、1日200~300mlだという。Lさんの手の甲の皮膚をつまむと、つまんだ形がそのまま残った。尿量も少なく、尿の色は濃い黄色であった。

 Lさんへの対応として、適切なものを1つ選びなさい。

1 散歩を勧める。

2 入浴を勧める。

3 コーヒーを勧める。

4 おやつにゼリーを勧める。

5 食事の一時休止を勧める。




正答:4

水分の摂取量が少なく、脱水のおそれがありますので、水分の補給をします。高齢になると、嚥下機能の低下も見られ飲み込みがうまくいかないような場合はゼリーが適当です。そうすると飲み込みがしやすくなります。

2015年12月25日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題48






問題48  視覚障害のある利用者の歩行介助をするときに、利用者に介護者のからだを握ってもらう基本的部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。


















1 A

2 B

3 C

4 D

5 E



正答:3



●視覚障害者の歩行介助

1 介護者は視覚障害者の半歩前に立ち、後方から介護者の肘の上を握ってもらい、視覚障害者の肘が直角になる位置で歩行誘導する。

2 道路上での誘導は、足を高く上げて障害物や道のでこぼこに履物を引っかけないように説明しながら誘導する。

3 横断歩道や信号はその旨伝え、周囲の状況と合わせて説明しながら渡る。

4 階段昇降時の誘導:階段の手前で直角につけて立ち止まり、説明後介護者が1段目を上り止まる。次に、視覚障害者が足先で段を確認し上る。以後、介護者が1段先行し昇段、最終段まで来たところで説明し両足をそろえて止まる。降りるときも同様の方法で行う。

5 狭い場所の誘導:介護者の誘導している腕を背中に回し、視覚障害者と前後して通過する。その際、障害物や周囲の状況をあらかじめ伝えて通過する。

2015年12月24日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題47






問題47  ボディメカニクスの基本原則に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 介護者の支持基底面積は、狭くとる方が身体は安定する。

2 介護者は体幹をねじらず、足先を移動の方向に向ける。

3 介護者は大きな筋群よりも、指先や腕の力を使う。

4 介護者は重心を、できるだけ高くする。

5 利用者の身体をベッド上で水平移動する場合は、背部が接する面積を広くする。




正答:2




ボディメカニクスを利用した介助にかんする過去問題 正答

問題

1 移乗・移動介助では介護者は、自分の身体をねじらないように介助する。

2 移動介助をする場合、介助者は支持基底面積を広くする。

3 移動介助では介護者は利用者にできるだけ近づく。



●介護のボディメカニクスの基本

1 支持基底面を広くとる。足幅を前後左右に広げて立位を安定させる。

2 重心を低くする。膝を曲げて腰を落とすことで姿勢を安定させる。

3 介護者と要介護者の重心を近づける。近づくことで容易に介助しやすくなる。

4 重心の移動をスムーズにする。持ち上げずに水平に滑らせる。移動方向に足先を向ける。

5 小さくまとめる。手は胸元で組んでもらったり膝を曲げて四肢をなるべく体幹部に近づける。

6 てこの原理を利用する。持ち上げずに支点を作る。

7 大きな筋群を利用する。大腿部、臀部などの大きな筋肉を使う。

2015年12月23日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題46






問題46  右片(みぎかた)麻痺(まひ)の利用者がベッドから立位になるときの介護方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の右(みぎ)膝(ひざ)に手を当て、立ち上がるのを補助する。

2 麻痺側(まひそく)の下肢を外転させる。

3 背すじを伸ばしたまま立ち上がるように、声をかける。

4 ベッドに深く腰掛けるように、声をかける。

5 利用者の左側に立つ。





解答

○1:右ひざに手を当てることで、麻痺の右側の膝おれを防止することができます。

×2:麻痺側の下肢をねじると転倒しやすくなります。

×3:前にかがむ状態の方が立ちやすいです。

×4:ベッドに浅く掛けた方が立ちやすいです。

×5:患側に立つのが原則です。右片麻痺なので右側に立ちます。

2015年12月22日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題45







問題45  介護が必要な利用者の口腔(こうくう)ケアの方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 ベッド上で実施する場合、仰臥(ぎょうが)位(い)(背臥位(はいがい))にする。

2 全部床義歯(総入れ歯)の場合、上からはずす。

3 ブラシの部分が大きく硬い歯ブラシを選ぶ。

4 うがいができる場合、ブラッシング前にうがいをする。

5 舌(ぜっ)苔(たい)は残さず取り除く。



口腔ケアの問題はよく出題されます。


解答

×1:仰臥位だと誤嚥性肺炎をおこす可能性があります。ベッドをギャッジアップし、できるだけ上半身を起こしましょう。または、側臥位(横向き)にして口腔ケアをします。

×2:総義歯を外す順序は下あごから外して上あごです。また、義歯を装着するときは上あごから下あごとなります。

×3:ブラシは柔らかめのものがいいでしょう。硬い歯ブラシは歯茎を傷つけます。

○4:ブラッシング前にうがいをする効用は、乾燥した口腔に湿り気を与え、粘膜の損傷を予防します。乾燥して固まった汚れが水分で柔らかくなり除去しやすくなります。

×5:舌苔を取りすぎると、舌乳頭を傷つけてしまい、剥がれ落としてしまいます。すると、その舌乳頭が唾液と混ざって細菌のエサとなり、口臭がひどくなってしまいます。



2015年12月21日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題44







問題44  電気かみそりを使ったひげそりの方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 蒸しタオルを当ててひげを柔らかくする。

2 電気かみそりを皮膚に強く押し当てる。

3 電気かみそりを皮膚に対して直角に当てる。

4 ひげの流れに沿って剃(そ)る。

5 顎(あご)の下などの湾曲した部分は、皮膚を寄せるようにして剃(そ)る。




正答:3

2015年12月20日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題43







問題43  トイレの環境整備として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 就寝時の寝室よりも照明を明るくする。

2 介助が必要な場合は、洋式便所の後方に介助スペースを確保する。

3 出入り口の扉は、外開きより内開きの方が良い。

4 L字型手すりの直径は、50㎜程度を目安にする。

5 縦手すりは、様式便座の先端よりも後方の側面に設置する。




解答

○1:

×2:前方にスペースがあったほうが利用しやすい。

×3:便所の戸は、外開きが望ましいです。 内開きの場合、便所内で倒れたときに身体が障害物になり救助に障害になります。

×4:女性のように手の小さな人の場合直径2.8~3.2cm、男性の場合3.4~4.0cm程度が程よい太さとされています。

×5:便座の先端の方でなければ不便です。

2015年12月19日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題42







問題42  介護保険の給付対象となる住宅改修として、正しいものを1つ選びなさい。

1 寝室の近くにトイレを増設する。

2 階段に昇降機を設置する。

3 手すりを取り付けるために壁の下地を補強する。

4 浴室内にすのこを置く。

5 浴室に暖房機を設置する。



正答:3



●介護保険の給付対象となる住宅改修

1 手すりの取り付け:転倒予防、移動、移乗動作のための手すりの設置

2 段差の解消:床の段差解消のための工事

3 滑りの防止、移動の円滑化などのための床や通路面の材料の変更:浴室、居室、通路面

4 引き戸などへの扉の取り替え:アコーディオンカーテンへの取り替え、開き戸を引き戸や折れ戸、ドアノブの変更

5 洋式便器などへの便器の取り替え:和式便器から洋式便器(暖房・洗浄機能付きなど)

2015年12月18日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題41





問題41  生活に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生活は、食事と排泄(はいせつ)と睡眠の3つの要素で構成される。

2 生活空間とは、居間と寝室のことである。

3 生活圏とは、どのライフステージ(life stage)でも同じである。

4 高齢者の生活様式は、画一化されている。

5 生活時間は、その人独自のものがある。


問題41から問題60までは、生活支援技術です。





解答

×1:生活の三要素は衣食住、健康の三要素は食事と排泄(はいせつ)と睡眠です。

×2:生活空間とは、日常生活の範囲のことなので、居間と寝室だけではありません。

×3:生活圏とは、人間の生活のための行動の範囲で、買物、医療、レクリエーション、教養、通勤、通学などの行動が行われる範囲のことです。この生活圏は、幼年期、児童期、青年期、壮年期、老年期などのそれぞれの段階で変わってきます。

×4:多様化しています。

○5:



生活支援に関する過去問題 正答


1 生活とは命の維持し育むための活動のことである。

2 介護者は利用者の生活習慣や意志の尊重をしなければならない。

3 生活支援の基本視点として大切なのは、介護者の意向より利用者の意志を尊重することである。

4 介護における生活支援とは障害があっても、健常者と同じように自分らしい生活をおくれるよう支援することである。

5 介護における生活支援では、利用者ができることに焦点をあてる。

2015年12月17日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題40





次の事例を読んで、問題39、問題40について答えなさい。

[事例]

 J介護福祉職は介護老人福祉施設で勤務して1年目である。担当利用者Kさんの家族が面会に来た時に、「衣服が散らかっているから整理して欲しい」と言われた。J介護福祉職は自分の判断で衣服の整理を行った。その1週間後、Kさんの家族から、「まだ十分に整理できていない」と苦情を受けた。J介護福祉職にとっては初めての苦情であった。J介護福祉職は上司に報告した。



問題40  その後、J介護福祉職は上司に、家族への対応方法について相談した。上司のJ介護福祉職への助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「家族の指摘は気にしなくていいですよ」

2 「家族とKさんが一緒に衣服の整理をするように伝えたらどうですか」

3 「家族に衣服の数を減らすように助言したらどうですか」

4 「私に相談する前に自分で考えてください」

5 「私と一緒に考えましょう」




正答:5 スーパーバイザーとして、いっしょに考えていく姿勢で接することが望ましいです。

2015年12月16日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題39





次の事例を読んで、問題39、問題40について答えなさい。

[事例]

 J介護福祉職は介護老人福祉施設で勤務して1年目である。担当利用者Kさんの家族が面会に来た時に、「衣服が散らかっているから整理して欲しい」と言われた。J介護福祉職は自分の判断で衣服の整理を行った。その1週間後、Kさんの家族から、「まだ十分に整理できていない」と苦情を受けた。J介護福祉職にとっては初めての苦情であった。J介護福祉職は上司に報告した。



問題39  J介護福祉職が上司に報告する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Kさんの最近の日常生活のこと

2 衣服の整理の仕方に問題がないこと

3 自分が責任を持って苦情処理すること

4 苦情を受け、まだ解決していないこと

5 衣服の散乱は、Kさんの認知症(dementia)の悪化が原因だということ




正答:4 苦情を受けた事実を、ありのままに報告する。


2015年12月15日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題38





問題38  介護福祉職が行う報告に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 状況を詳細に述べてから結論を報告する。

2 自分の主観的意見を中心に報告する。

3 報告の内容にかかわらず、報告のタイミングは上司の都合に合わせる。

4 指示を受けた仕事の報告は、指示者へ行う。

5 抽象的な表現に整理して報告する。





解答

×1:まず、結論から話します。それから詳しい内容を話します。

×2:主観的ではなくて、客観的に見た事実を報告するようにします。

×3:急ぐ報告がある場合は上司の都合に関係なく速やかに報告をします。

○4:行き違いが生じないように指示を受けた人に対して報告するのが原則です。

×5:抽象的な表現より具体的内容で報告します。




報告に関する過去問題 正答


1 援助者間で報告・連絡しあう場合、事実と意思は区別しながら内容を一つひとつ確認し、必要に応じてメモを取る。

2 施設の介護職員が行う記録等は、利用者数、利用者の状態と介護内容、特別に変わった状況等を記録し、勤務交替時に報告する。



2015年12月14日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題37





問題37 行動・心理症状(BPSD)のある認知症(dementia)の人への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「何もやる気がしない」に対して、励ます。

2 「失敗しそうで怖い」に対して、かかわりを少なくする。

3 「財布を盗まれた」に対して、利用者と話し合う。

4 「亡くなった人が立っている」に対して、受容する。

5 「夫が呼んでいるので家に帰りたい」に対して、帰らないように指示する。




正答:4 現実と違っていても、本人の主張を受け入れる態度で接するとこだわりも消えます。

2015年12月13日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題36




問題36  Hさん(80歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断されており、複数の話題や複雑な内容を理解することは困難である。いつも同じ話を繰り返している。

 Hさんが同じ話を繰り返すときの介護福祉職のかかわり方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 時間の流れに沿って、話すように伝える。

2 新しい話題を提供する。

3 話の内容に沿った会話をする。

4 ゆっくり、はっきり話すように伝える。

5 途中で話を中断する。




アルツハイマー型認知症は本文に書かれているとおり、複数の話題や複雑な内容を理解することは困難です。いつも同じ話を繰り返しています。長文には問題を解くヒントがあります。アルツハイマー型認知症を知らなくても、文章を読めば、どういう症状がわかりますので、自分の知らない病気が出たからといって、あわてないようにしましょう。




正答:3 アルツハイマー型認知症は自分の世界に入っていることが多いです。その世界に合わせてあげることで、本人は安心します。

2015年12月12日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題35




問題35 利用者と家族が対立しているとき、介護福祉職の初期の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 両者がそれぞれの思いを語り合う場をつくる。

2 どちらが正しいか、専門職としての判断を伝える。

3 他の家族の解決例を紹介する。

4 利用者の判断が間違っている場合、家族の判断を支持する。

5 専門職としての役割を果たすために、責任を持って一人で対応する。





正答:1

2015年12月11日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題34




問題34  介護福祉職が利用者とコミュニケーションを図るときの基本として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 緊張感が伝わるように、背すじを伸ばして接する。

2 愛称で呼んで心理的距離を近づける。

3 自分の意見と違っても賛同する。

4 利用者の言葉に感情的に反応する。

5 利用者の主観的な訴えに耳を傾ける。




正答:5 利用者にたいして傾聴の態度です。



介護職と利用者とのコミュニケーションに関する過去問題 正答


問題

1 コミュニケーションの基本として大切なことは、自分自身の感情に気付く(自己覚知)、相手をありのまま受け止める(受容)、利用者のお話をしっかり聞く(傾聴)などである。

2 利用者と介護者との相互の信頼関係の形成を図るために、介護従事者は簡潔な自己紹介をした上で、利用者がどのような生活を送りたいかを聞く。

3 高齢者のコミュニケーションの中で、「なぜ」「どうして」という問いかけは、利用者を混乱に追い込むことがある。


4 介護援助におけるコミュニケーションでは、「はい」「いいえ」でしか答えられない質問は、利用者の言いたいことを制限し、介護従事者主導の展開になりがちである。


2015年12月10日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題33




問題33 バイステック(Biestek ,F.)の7原則を介護場面に適用したときの記述として、適切なものを1つ選びなさい。

1 「個別化」とは、利用者に具体的な指示を出すことである。

2 「意図的な感情表出」とは、介護福祉職の感情表出を大切にすることである。

3 「統制された情緒的関与」とは、利用者の感情をコントロールしてかかわることである。

4 「受容」とは、利用者の同意を得ることである。

5 「非審判的態度」とは、介護福祉職の価値観で評価せずに利用者にかかわることである。



問題33から問題40問はコミュニケーション技術の問題になります。

バイスティックの7原則はよく出てくる問題です。クライエントとの関係構築、面接場面での援助者のあり方について7つに区別しています。

1受容的態度
2個別化
3統制された情緒関与
4非審判的態度
5自己決定
6秘密保持
7意図的な感情表出


正答:5




バイスティックの7原則に関する過去問題 正答


問題

1 バイステック(Biestek,F.)は個別援助技術(ケースワーク)での援助原則としてよく知られて7原則を提唱したがそれは,個別化,意図的な感情表出,統制された情緒関与,受容,非審判的態度,自己決定,秘密保持である

2 ケースワークの原則である「個別化」とは、援助者は偏見や先入観を排し,人間についての知識を広く深く身に付けることを通して、利用者を個人として理解するということである。

3 ケースワークの原則である「秘密保持」とは援助者は利用者に関する秘密を守らなければならないということである。

4 ケースワークの原則である「非審判的態度」とは援助者は利用者を審判したり、批判してはいけないということである。

5 ケースワークの原則である「意図的な感情の表出」とは援助者は利用者がその感情を自由に表現できるように援助しなければいけないということである。

6 ケースワークの原則である「受容」とは、援助者は利用者の道徳的批判や価値観を超えて、あるがままに受け入れるということである。

7 ケースワークの原則である「自己決定」とは援助者は利用者の自分で決める権利を認識しなければならないということである。

8 ケースワークの原則である「統制された情緒関与」とは、利用者が援助者から適切な反応を受けたいというニーズを前もって認識し理解しなければならないということである。

2015年12月9日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題32




問題32 Gさん(30歳、女性)は介護福祉職として介護老人福祉施設で働いてから1年が経過した。最近、夜勤で初めて利用者の看取りを行い、無力感を経験した。その後、気持ちの落ち込みがあり、仕事にも支障が出そうになった。


 Gさんへの職場の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 看取りのケアについてチームで話し合いをする。

2 Gさんの好きなものをプレゼントする。

3 気持ちが楽になるように、親睦会(しんぼくかい)を開く。

4 看取りの経験を忘れるように、しばらく夜勤を免除する。

5 仕事に支障が出そうになったので、長期休暇を取ってもらう。




こういう問題は話し合いやコミュニケーションのなかでしか解決できないものです。カンファレンスを開いて、良かった点や頑張った点を明らかにしましょう。今後の看取り介護につなげていくなどのプロセスをとることが大切です。


正答:1



2015年12月8日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題31



問題31  疥癬(かいせん)(scabies)とその対策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 マダニが皮膚に寄生することで発生する皮膚病である。

2 感染した皮膚に変化が見られない。

3 感染した利用者は他の利用者と同室でよい。

4 感染した利用者の衣類や寝具の洗濯は他の利用者のものと一緒でよい。

5 感染した利用者の入浴は順番を最後にする。




疥癬(かいせん)はヒゼンダニが皮膚の最外層である角皮層に寄生し、人から人へ感染する皮膚感染症です。アレルギーの原因となる人家の畳やカーペットに潜むダニとは全く別の種類です。非常に多数のダニの寄生が認められるノルウェー疥癬(角化型疥癬)と、少数寄生であるが激しい痒みを伴う普通の疥癬があります。





解答

×1:疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症です。

×2:湿疹、虫さされ、じんましんなどと似た病状がみられます。

×3:同室の場合、本人の同意、あるいは他の利用者の同意が必要になるケースもあります。「同室でよい」という断言は不適切です。ノルウェー疥癬の場合は個室管理が必要です。

×4:感染の可能性を考慮し分けて洗濯します。

○5:最後に入浴することで、感染のリスクが少なくなります。





●疥癬に関する過去問題の正答



1 疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症である。

2 角化型(ノルウェー)疥癬患者は、個室管理が必要である。




角化型(ノルウェー)疥癬は非常に感染力が強いですから個室管理が必要になってきます。






■一般の疥癬


1 基本的に個室隔離の必要はないが、人との直接接触を避けるように指導する。患者の協力が得られないような場合には、個室隔離を考慮する。

2 患者に直接触れる医療器具(血圧計・体温計など)は患者専用とする。

3 患者や患者の衣服、リネン類に接触する時は、ディスポガウンと手袋を着用する。

4 患者の肌着は毎日洗濯する。個人のものは50℃以上の湯に10分間浸漬した後に洗濯する。

5 入浴は最後で、入浴後は熱湯でよく洗い流す。湯を介した感染はないが脱衣室での感染に注意する。

6 交換したタオルやシーツ類はビニール袋に入れて室外に持ち出す。

7 掃除は吸引清掃を行い、ベッドや床の消毒は必要ない。

8 患者の手が触れるところはアルコール清拭を行う

9 患者が使用した食器は通常通りの取り扱いでよい

10 検査を依頼する部門には必ず疥癬患者であることを明示する。




■角化型疥癬(ノルウェー疥癬)


1 高齢者、重症感染症、悪性腫瘍、免疫不全、ステロイド使用者などに好発する

2 感染力が非常に強く、個室隔離が必要である。

3 患者に直接触れる医療器具(血圧計・体温計など)は患者専用とする。

4 部屋専用のディスポガウンと手袋を使用する。

5 患者の肌着は毎日洗濯する。個人のものは50℃以上の湯に10分間浸漬した後に洗濯する。

6 入浴は最後で、入浴後は熱湯でよく洗い流す。

7 ベッドを含めた寝具、床、カーテンなどの入念な吸引清掃を行う。(HEPAフィルター付の掃除機を使用する)

8 ベッドや床の消毒は必要ない

9 移動時はベッドごと行う

10 患者の手が触れるところはアルコール清拭を行う。

11 病室から出るゴミは、密封して一般ゴミとして廃棄する。医療廃棄物は病室内に容器を設置し処理する。

12 ベッドのマットレスは患者使用後10日間は使用しない。

13 個室解除時・退院時カーテンの交換も行う。

14 使用したマットは、疥癬と明記してマット消毒に出す。

2015年12月7日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題30



問題30  内閣府が2010年(平成22年)に実施した「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」の「自宅における転倒事故」に関する回答の中で、転倒が最も多かった場所として、正しいものを1つ選びなさい。

1 玄関・ホール・ポーチ

2 居間・茶の間・リビング

3 庭

4 便所

5 浴室



たいていの人は浴室をイメージするのではないでしょうか。でも、浴室にいる時間は1日の間でも短いです。もしかしたら、3日に一度しか入らないかもしれません。立っている時間が多いと、転倒する確率も高くなります。





正答:3





2015年12月6日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題29



問題29  車いす操作の安全性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 車いすの点検は介護福祉職が気づいたときに行う。

2 ブレーキが利きやすいように空気圧を下げる。

3 利用者が乗っている車いすを2台同時に押す。

4 ドアを片手でおさえながら、利用者の車いすを押す。

5 急勾配(きゅうこうばい)のスロープを降りるとき、車いすは後ろ向きにする。



常識問題のような気がします。車いすの点検は普通は車いすを使用する前です。空気圧を下げるとブレーキー利きが悪くなります。車いすを2台同時に押すことは不可能です。片手で車いすを押すことになります。ドアをおさえながらも不可能です。




解答

×1:車いすを使用する前に、安全のため各部の点検を行うのが原則です。

×2:空気圧が低すぎると駆動が重くなります。ブレーキの効きが悪くなります。高すぎるとクッション性が悪くなります。

×3:利用者一人につき介助者は一人でなければ、安全性の確保は困難です。

×4:前進するときは必ず両手で押します。ドアがあるときは、まずドアを開けておいてから前進します。

○5:坂が急なときはブレーキを軽く使いながら、後ろ向きに一歩ずつ下ります。

2015年12月5日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題28



問題28 Eさん(80歳、男性)は、介護老人保健施設に入所して3か月になる。最近、夜間に大声で介護職員を呼び、介護職員が駆けつけると、「何でもない」と返事をすることが繰り返されている。そこでF介護福祉職は、Eさんの行動の意味やその背景にある気持ちを把握するため 、Eさんの話を聞いた。Eさんは、「夜になって、一人でこれからのことを考えているとつらい気持ちになって、つい職員さんを呼んでしまうのです。でも職員さんが来てくれると、結局何も言えなくなってしまうのですよ。いつも申し訳ないと思ってはいるのですが」と話した。F介護福祉職は、Eさんの了解のもと、その内容とその意味するところを他の介護職員に会議の場で伝えた。

 会議の場でのF介護福祉職の支援行動の意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者本位

2 プライバシーの保護

3 総合的なサービスの提供

4 利用者ニーズの代弁

5 後継者の養成



正答:4


2015年12月4日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題27




問題27  セルフヘルプグループ(self-help group)の目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 療養上の管理指導を行う。

2 専門的知識を提供する。

3 自助具を作成する。

4 就労移行支援の窓口になる。

5 課題を共有する。




セルフヘルプグループは自助グループのことです。なんらかの障害、困難や問題、悩みを抱えた人が同様な問題を抱えている個人や家族が相互に援助しあうために組織し、運営するグループのことです。


正答:5

2015年12月3日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題26




問題26  地域で高齢者(こうれいしゃ)虐待(ぎゃくたい)防止(ぼうし)ネットワーク構築の中心になる機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 福祉事務所

2 老人福祉施設

3 民生委員協議会

4 警察署

5 地域包括支援センター




正答:5

●地域包括支援センター

1 総合相談支援
2 虐待の早期発見・防止などの権利擁護
3 包括的・継続的ケアマネジメント
4 介護予防ケアマネジメント

という4つの機能を担っています。また地域包括支援センターの運営主体は市町村です。在宅介護支援センターの運営法人(社会福祉法人、医療法人等)等の市町村から委託を受けた法人が運営します。

2015年12月2日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題25




問題25 居宅サービスのケアマネジメント過程で、介護支援専門員(ケアマネージャー)と連携するサービス提供責任者の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 1か月に1回は利用者の居宅を訪問して、面接を行う。

2 利用者の希望があれば、居宅サービス計画の変更を行う。

3 居宅サービス計画に基づいて、訪問介護計画を作成する。

4 サービス担当者会議を招集する。

5 利用者がほかに利用している介護サービスの実施状況についてモニタリング(monitoring)を行う。






●サービス提供責任者の役割

1 訪問介護サービスの申し込み等の調整

2 訪問介護計画の作成

3 訪問介護計画の説明

4 訪問介護サービス提供後の状況把握

5 訪問介護員等に対する技術指導

6 訪問介護員等のサービス内容の管理

7 介護技術の研鑽(けんさん)

8 居宅支援事業者等との連携、サービス担当者会議への参加




正答:3


2015年12月1日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題24




問題24  ユニットケアの理念に基づく望ましい生活環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 4名以上の利用者が1つの居室で生活する。

2 1ユニットの利用者は、20名程度で構成する。

3 利用者相互の交流は、同じユニット内に限定する。

4 廊下に向かって横並びに居室を配置する。

5 ユニットを担当する職員は、一定期間固定して配置する。



ユニットケアの問題です。認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)などイメージできればいいです。グループホームでは、個室が基本で、1ユニット5名から9名です。




解答

×1:個室が基本です。

×2:1ユニットの利用者は、10名程度で構成します。

×3:ユニット間の交流も大切です。

×4:共有スペース(リビングルーム)を囲むような居室の配置です。

○5:利用者の些細な変化に対応する、信頼関係を構築するためにも、職員の固定化した配置が重要です。