2015年12月8日火曜日
介護福祉士試験過去問 第27回問題31
問題31 疥癬(かいせん)(scabies)とその対策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 マダニが皮膚に寄生することで発生する皮膚病である。
2 感染した皮膚に変化が見られない。
3 感染した利用者は他の利用者と同室でよい。
4 感染した利用者の衣類や寝具の洗濯は他の利用者のものと一緒でよい。
5 感染した利用者の入浴は順番を最後にする。
疥癬(かいせん)はヒゼンダニが皮膚の最外層である角皮層に寄生し、人から人へ感染する皮膚感染症です。アレルギーの原因となる人家の畳やカーペットに潜むダニとは全く別の種類です。非常に多数のダニの寄生が認められるノルウェー疥癬(角化型疥癬)と、少数寄生であるが激しい痒みを伴う普通の疥癬があります。
解答
×1:疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症です。
×2:湿疹、虫さされ、じんましんなどと似た病状がみられます。
×3:同室の場合、本人の同意、あるいは他の利用者の同意が必要になるケースもあります。「同室でよい」という断言は不適切です。ノルウェー疥癬の場合は個室管理が必要です。
×4:感染の可能性を考慮し分けて洗濯します。
○5:最後に入浴することで、感染のリスクが少なくなります。
●疥癬に関する過去問題の正答
1 疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症である。
2 角化型(ノルウェー)疥癬患者は、個室管理が必要である。
角化型(ノルウェー)疥癬は非常に感染力が強いですから個室管理が必要になってきます。
■一般の疥癬
1 基本的に個室隔離の必要はないが、人との直接接触を避けるように指導する。患者の協力が得られないような場合には、個室隔離を考慮する。
2 患者に直接触れる医療器具(血圧計・体温計など)は患者専用とする。
3 患者や患者の衣服、リネン類に接触する時は、ディスポガウンと手袋を着用する。
4 患者の肌着は毎日洗濯する。個人のものは50℃以上の湯に10分間浸漬した後に洗濯する。
5 入浴は最後で、入浴後は熱湯でよく洗い流す。湯を介した感染はないが脱衣室での感染に注意する。
6 交換したタオルやシーツ類はビニール袋に入れて室外に持ち出す。
7 掃除は吸引清掃を行い、ベッドや床の消毒は必要ない。
8 患者の手が触れるところはアルコール清拭を行う
9 患者が使用した食器は通常通りの取り扱いでよい
10 検査を依頼する部門には必ず疥癬患者であることを明示する。
■角化型疥癬(ノルウェー疥癬)
1 高齢者、重症感染症、悪性腫瘍、免疫不全、ステロイド使用者などに好発する
2 感染力が非常に強く、個室隔離が必要である。
3 患者に直接触れる医療器具(血圧計・体温計など)は患者専用とする。
4 部屋専用のディスポガウンと手袋を使用する。
5 患者の肌着は毎日洗濯する。個人のものは50℃以上の湯に10分間浸漬した後に洗濯する。
6 入浴は最後で、入浴後は熱湯でよく洗い流す。
7 ベッドを含めた寝具、床、カーテンなどの入念な吸引清掃を行う。(HEPAフィルター付の掃除機を使用する)
8 ベッドや床の消毒は必要ない
9 移動時はベッドごと行う
10 患者の手が触れるところはアルコール清拭を行う。
11 病室から出るゴミは、密封して一般ゴミとして廃棄する。医療廃棄物は病室内に容器を設置し処理する。
12 ベッドのマットレスは患者使用後10日間は使用しない。
13 個室解除時・退院時カーテンの交換も行う。
14 使用したマットは、疥癬と明記してマット消毒に出す。
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