2015年11月30日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題23




問題23  障害基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 20歳未満の障害者であれば、本人の所得に関係なく受給できる。

2 20歳以上の障害者であれば、申請することで受給できる。

3 障害基礎年金で生活できない場合、申請すれば特別障害給付金を受給できる。

4 障害の程度・等級にかかわらず、支給額は一律である。

5 18歳未満の子がいる障害基礎年金受給者には、子の人数に応じた加算がある。



障害基礎年金は第27回ではじめて出題されました。ほとんどの人がわからないと思います。知っていれば解けますし、知らなければ、おかしそうなものから、消去法で選択肢の数を減らしましょう。文章1は国民年金は20歳からの加入なのに、20歳未満の障害者がもらえるのかなと思ってしまいます。文章2は珍しくひっかけです。20歳前から申請をしていて、20歳になったらもらえるようです。文章4は「支給額は一律」というのが気になります。




障害基礎年金は、国民年金の給付の種類のひとつです。国民年金加入者が、病気やケガで障害が残ったときに受取れる年金です。



●障害基礎年金額(平成27年4月分から)

【1級】 780,100円×1.25+子の加算
【2級】 780,100円+子の加算


子の加算
    第1子・第2子 各 224,500円
    第3子以降 各 74,800円

子とは次の者に限る
    18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
    20歳未満で障害等級1級または2級の障害者





解答

×1:障害基礎年金は20歳からしか支給されません。

×2:20歳未満であっても障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに申請・受給できます。支給は 障害認定日以後20歳に達したときは、20歳に達した日において、また障害認定日が20歳に達した日後であるときは、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態にあるときに支給されます。

×3:特別障害給付金は、障害基礎年金や障害厚生年金、障害共済年金などを受給することができる方は対象になりません。


×4:1級のほうが高い支給です。

○5:子の加算があります。


2015年11月29日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題22



問題22  介護を必要とする人の個別性・多様性を意識した対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 性別をもとに、衣類の色やデザインを選ぶ。

2 年齢をもとに、生きてきた時代を考え体験談を聞く。

3 障害特性をもとに、施設で暮らすことを勧める。

4 家族構成をもとに、人格的な特徴を判断する。

5 所得をもとに、レクリエーションの内容を考える。



正答:2

2015年11月28日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題21



問題21  Dさん(42歳、男性)は、営業の仕事をしていた。休日に趣味のサイクリングの最中、交通事故に遭った。脊髄(せきずい)を損傷し、対麻痺(ついまひ)の状態になり、車いすで移動する生活になった。

Dさんに関する次の記述のうち、ICF(International Classification of Functioning ,Disability and Health : 国際生活機能分類)における「心身機能・身体構造」と「活動」の関係を示すものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 移動に車いすを使う生活になり、退職することになった。

2 上肢は自由に動かせる状態であり、車いすで移動できるようになった。

3 玄関の周りをバリアフリーにすることで、一人で外出できるようになった。

4 サイクリングの楽しさを忘れられず、車いすマラソンに取り組む準備を始めた。

5 脊髄(せきずい)損傷(そんしょう)のために、排尿コントロールが困難になった。




正答:2
交通事故で脊髄を損傷し、対麻痺(ついまひ)の状態になったのは「心身機能・身体構造」の低下です。「車いす」で移動ができる「活動」することができるようになった。




ICF(International Classification of Functioning ,Disability and Health : 国際生活機能分類)の問題もよく出てくるので、整理しておきましょう。


●ICFは、人の生活とその機能を3つでとらえます。

1 心身機能・身体構造(生理学的・解剖学的な機能・構造)

2 活動(生活における課題や行為の個人による遂行)

3 参加(生活・人生場面へのかかわり)


3つの生活機能が低下した状態を


機能・構造障害(例:脳梗塞による片麻痺)

活動制限(例:片麻痺により入浴、排泄、移動などに支障をきたす)

参加制約(例:車いすでの入店を断られた)



4 健康状態(例:病気、ストレス)

5 環境因子(例:家族や住宅、社会制度、社会サービスなど人々が生活している環境)

6 個人因子(例:個人の生活背景)

これら6つが相互に作用し合うとしています。


環境因子と個人因子のことを背景因子といいます。

2015年11月27日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題20



問題20 施設利用者の生活の質(QOL)を重視した介護福祉の実践として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の身体的側面だけでなく、心理的・社会的な面も含む支援を行う。

2 利用者の生活時間を職員の業務時間に合わせる。

3 利用者が疲れないように食事時間は1時間と定める。

4 利用者の居室環境の整備を最優先する。

5 利用者のニーズは画一的なものとして支援する。  



生活の質(QOL)は、よく出題されますが、あくまでも利用者様が中心です。職員の業務時間にあわせたりしません。食事時間1時間も施設の方の都合です。生活の質(QOL)を重視するには、セルフケア、自分のことは自分でしたいという自己決定の気持や感情を尊重しながらの支援が大切です。



正答:1

2015年11月26日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題19



問題19 介護福祉士に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 介護福祉士の資格は、業務独占の資格である。

2 介護福祉士の資格は、更新制である。

3 介護福祉士になるには、都道府県知事に申請し登録しなければならない。

4 介護福祉士は、介護等に関する知識や技術の向上に努めなければならない。

5 刑事罰に処せられた者は、どのような場合も介護福祉士になれない。




あたりまえのことですが、介護福祉士に関する問題が毎年、必ず出題されます。知っていれば取れる問題ですので、一度、過去の介護福祉士試験の問題に目を通していればいいでしょう。でも、わからなければ、文章を読んでみると、ひとつだけ、当たり前のことを言っています。知っていれば、自分の知識を使って解いてください。そして、どんどん間違った文章は消去していきましょう。選択肢は少ない方がいいです。最後に残ったものが、まったくわからなければ、介護福祉士試験の問題のなかには、むずかしい文章が並んでいて、ひとつだけ、ごく当たり前のことが書かれている場合があります。それが正答の場合が多いです。


●迷った場合は、単純な方、「当たり前のことだなあ」と思う方を選ぶ。

●「どのような場合も」は除外する



正答:4




解答

×1:業務独占の資格でなく、名称独占資格です。名称独占資格とは、有資格者でなければその肩書きを名乗ってはいけないと法律で規定されている公的資格のことです。介護福祉士の資格がない者が介護業務に携わっても違法ではありませんが、介護福祉士と名乗ると違法となります。


×2:更新制でなく登録制です。合格した後に「登録」しないと資格はもらえません。合格しただけで「介護福祉士になりました」と勘違いする人がいますが登録という税金をまず払わなければいけません。


×3:

○4:介護福祉士はその専門的な知識、技術に加えて専門職としての倫理が求められます。

×5:
介護福祉士の欠格事項は法律で定められています。

一  成年被後見人又は被保佐人

二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者

三  この法律の規定その他社会福祉に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

その他、介護福祉士の登録を取り消された者も含まれます。







●介護福祉士に関する過去問題 正答のもの



問題

1 介護福祉士は,登録を受けた事項に変更のあったときは、指定登録機関に登録証を添えて、遅滞なく、その旨を届け出て、その訂正を受けなければならない。

2 介護福祉士には、信用失墜行為の禁止義務がある。

3 介護福祉士には,資格保有時だけでなく、資格喪失後においても秘密保持義務(守秘義務)がある。


4 介護福祉士の登録の申請をしようとする者は、登録免許税を支払う義務がある。

5 社会福祉士及び介護福祉士法では、介護福祉士となる資格を有する者が介護福祉士となるには、介護福祉士登録簿に、氏名、生年月日その厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならないとしている。


6 介護福祉士にはその専門的な知識、技術に加えて専門職としての倫理が求められる。



2015年11月25日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題18



問題18  2010年(平成22年)の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」を合わせても半数以下である。

2 65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は「三世代世帯」が半数を超えている。

3 主な介護者が同居の家族の場合、「子の配偶者」が主な介護を担う割合は、「配偶者」、「子」を上回っている。

4 主な介護者が同居の家族の場合、その介護者の年齢は、男女共に60歳以上の割合が半数以上を超えている。

5 要介護者等と同居する主な介護者のうち、男性の割合は1割程度である。



知らない人はお手上げの問題です。でも、少しでもおかしいものは消していって、5択から4択、3択とすれば、それだけ正答を選ぶ確率が高くなります。

文章1は今は核家族化が進んでいるので、「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」を合わせれば、半数は超えているのではないかと思います。逆に文章2のように、「三世代世帯」が半数を超えているというのはおかしい感じがします。介護する人も「子の配偶者」よりも「配偶者」の方が多いと思います。文章5は少なく感じます。


正答:4



解答

×1:65歳以上のものがいる世帯を100%としたとき「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」の割合は54.1パーセントです。


×2:「三世代世帯」の割合は16.2パーセントなので半数は超えていません。


×3:「同居」の主な介護者の続柄をみると、「配偶者」が25.7パーセントで最も多く、次いで「子」が20.9パーセント、「子の配偶者」が15.2パーセントとなっています。


○4:主な介護者が同居の家族の場合、その介護者の年齢は、男女共に60歳以上の割合が半数以上占めています。


×5:男性の割合は3割弱です。

2015年11月24日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題17



問題17 介護福祉士制度が創設された背景にあるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢化率が14%を超えて、高齢社会になった。

2 介護保険法が制定されて、新しい介護サービス提供の仕組みが創設された。

3 日本学術会議が、介護職員の専門性と資格制度についての意見を出した。

4 特別養護老人ホームの制度ができて、介護職員が必要になった。

5 高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)の策定によって、介護サービスの拡充が図られるようになった。





第27回になって、すこし意地悪な問題がでてきたと思います。歴史問題は流れで理解した方がいいです。そうすれば、極端なものを消していくことができます。

少し介護の歴史について整理すると

1963年:老人福祉法の制定。特別養護老人ホームの制度

1970年:「高齢化社会」の到来。高齢者(65歳以上)の人口比率が7%を超えました。この頃はまだ高齢者の介護は行政が行っていました。

1973年:高齢者医療費の自己負担が無料になりました。10年間、無料化が続きました。しかし、たいした病気でないのに居場所がないという理由で、通院や入院をする高齢者が増えました。

1983年:老人保健法を施行し、少しずつ高齢者が自己負担をするように変わってきました。

1987年:社会福祉士及び介護福祉士法が創設されました。

1989年:ゴールドプラン「高齢者保健福祉推進10ヵ年戦略」

1994年:「高齢社会」の到来。高齢者人口比率が14%になる。新ゴールドプラン(高齢者保健福祉5ヵ年計画)が策定された。

2000年:介護保険制度が施行されました。

2007年:「超高齢社会」の到来。高齢者人口比率は21.5%に上がりました。




解答

×1:1994年 高齢社会。


×2:2000年 介護保険法が制定。


○3:1987年 日本学術会議が厚生大臣に「社会福祉におけるケアワーカー(介護職員)の専門性と資格制度について」意見の具申をしました。


×4:1963年 特別養護老人ホームの制度


×5:1989年 ゴールドプラン、高齢化社会に備えて厚生省が制定した。


2015年11月23日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題16



問題16 市町村保健センターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 各市町村に設置することが義務づけられている。

2 児童と家庭について医学的、心理学的、教育学的、社会学的および精神保健上の判定を行う。

3 知的障害者の医学的、心理学的および職能的判定を行う。

4 住民に対して、健康相談、保健指導および健康診査その他地域補記県に関する必要な事業を行う。

5 保護を要する児童の一時保護を行う。



市町村保険センターに関しては、第27回ではじめて出題された問題です。落としてもいい問題だと思います。でも、文章1「義務づけられている。」というのは、すごく強制された感じがします。しかも、義務づけられている割には、聞き覚えがありません。文章2と文章3の「判定を行う」というのも、「市町村保健センター」のイメージに合いません。文章4だけ、市町村保健センターのイメージに合います。文章5もイメージに合いません。


正答:4





解答

×1:地域保健法では「市町村は、市町村保健センターを設置することができる。」と書かれています。義務づけられてはいません。


×2:地域保健法では「市町村保健センターは、住民に対し、健康相談、保健指導および健康診査その他、地域保健に関する必要な事業を行うことを目的とする施設である」と書かれています。


×3:地域保健法では「市町村保健センターは、住民に対し、健康相談、保健指導および健康診査その他、地域保健に関する必要な事業を行うことを目的とする施設である」と書かれています。


○4:地域保健法では「市町村保健センターは、住民に対し、健康相談、保健指導および健康診査その他、地域保健に関する必要な事業を行うことを目的とする施設である」と書かれています。市町村保健センターは地域における母子保健、老人保健の拠点になります。保健所と違って、市町村レベルでの健康づくりの場として活用されています。


×5:児童の一時保護の業務は、児童相談所の業務です。


2015年11月22日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題15



 問題15 権利擁護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。


1 法定後見開始の申立てができるのは、利用者本人とその配偶者に限られている。

2 任意後見制度では、利用者本人による任意後見人の選定を認めている。

3 日常生活自立支援事業の対象者は、認知症高齢者で判断能力が不十分な者に限られている。

4 日常生活自立支援事業では、公共料金の支払いの支援は対象から除かれている。

5 映像や音声の情報は、医療・介護関係事業者の個人情報保護の対象ではない。



権利擁護に関する問題もよく出てきます。知ってれば解けるし、知らなければ解けないです。知っている人は自分の知識を総動員して解いてください。もし、知らない問題が出てきたときの対策として、「限られている。」は選ばない。「ではない。」は選ばない。「対象から除かれている。」というような否定的な文章は選ばない。となると答えは2です。

●「限られている」のような限定されているものは選ばない

●「ではない」「対象から除かれている。」のような否定的なものは選ばない。


これは100%ではありません。限定されているものや極端なもの、否定的なものは正答が少ないです。介護福祉士試験のような、落とす試験ではなく、現場の介護職員の資質を高めるための試験に変化球を投げることはありません。むしろ「素直に解く」ことが合格のポイントです。




正答:2




解答

×1:
法定後見開始の申立てができる人は、本人、配偶者、四親等以内の親族などに限られています。また、申立てる人がいない時は、市町村長が申立てます。親族に虐待されている場合など、親族の協力が得られない場合にも市町村長が申立てることができます。


○2:


×3:
日常生活自立支援事業の対象者↓

1.判断能力が不十分な方(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等であって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難な方)

2.本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる方



×4:
公共料金の支払いは「日常生活上の消費契約の援助」となります。


日常生活自立支援事業の援助の内容は、次に掲げるものを基準とします。

1.福祉サービスの利用援助

2.苦情解決制度の利用援助

3.住宅改造、居住家屋の貸借、日常生活上の消費契約及び住民票の届出等の行政手続に関する援助等

上記に伴う援助の内容は、次に掲げるものを基準とします。

預金の払い戻し、預金の解約、預金の預け入れの手続等利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)

定期的な訪問による生活変化の察知



×5:
映像や音声の情報は、個人情報保護の対象になります。

2015年11月21日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題14


問題14   次の図は、国際リハビリテーション協会が定めた、「障害者のための国際シンボルマーク」である。このマークに関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。















1 障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すためのものである。
2 このマークは車いす利用者だけが使用できる。
3 障害者が運転する自動車には、このマークを表示することが義務づけられている。
4 マークについての使用指針はなく、障害者への配慮があれば使用できる。
5 マークのない建物、施設は障害者への利用を制限できる。



昨年あたりから図表問題も出てきました。街中でもよく見かけるマークなので、なんとなく理解している人も多いと思います。




正答:1

2015年11月20日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題13




問題13  「障害者総合支援法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 法律の目的には、障害児の保護者の所得保障が規定されている。

2 障害者の年齢を20歳以上と規定している。

3 知的障害者や精神障害者の場合は、その家族が支給決定の申請をすることとしている。

4 障害児の障害支援区分認定のための調査は、保護者の申告があれば行わなくてもよい。

5 障害支援区分の審査および判定を行う場合、市町村審査会は、その対象となる障害者の家族に意見を聴くことができる。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。


「障害者総合支援法」はよく出てきます。わからなければ本当にお手上げです。でも、読んでいて、「当たり前のことを言っているなあ」という文章が混ざっています。定義的なことやデータや歴史問題は知らなければ解くことができません。あきらめるしかありません。でも、「当たり前のこと」は選ぶことができます。間違っていないのですから。

●迷った場合は「当たり前のような文章」を選ぶ

問題13でいえば、文章5がそれにあたります。たしかに「市町村審査会」というものが存在していなければ、その時点でアウトですが、「家族に意見を聴くことができる。」というのは、家族の意見ぐらい聴いてもいいんじゃないのと思ってしまいます。

文章1は法律の目的に、障害者の支援でなく「保護者の所得保障」までされているのかと疑問に思ってしまいます。文章3は家族以外でもいいんじゃないのって思ってしまいます。文章4も「保護者の申告があれば行わなくてもよい。」なら、どうやって認定するんだっていうことになります。






解答

×1:
障害者総合支援法の第一条(目的)から抜粋
「障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。」

障害児の保護者の所得保障が規定されていません。


×2:
障害者の年齢を18歳以上と規定しています。


×3:
第二十条   支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に申請をしなければならない。

「知的障害者や精神障害者の場合は、その家族が支給決定の申請をすることとしている。」どこにもそういう記載はありません。


×4:
申告だけでは認定されません。調査は必ず必要です。


○5:
第二十一条の2 市町村審査会は、前項の審査及び判定を行うに当たって必要があると認めるときは、当該審査及び判定に係る障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる。


2015年11月19日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題12




問題12 Bさん(40歳、男性)は精神科病院に10年間入院している。ある日、病院職員に地域で暮らしたいと申し出た。そこで病院職員はBさんと一緒に、地域相談支援を行っている事業所のC職員と面談をすることになった。

C職員の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Bさんに地域で生活することの苦労を説明する。

2 Bさんに地域の情報提供をしながら希望を確認する。

3 最初に地域移行支援計画の作成を行う。

4 地域移行を進めるためのケア会議は、C職員と病院職員で構成する。

5 地域移行した後のモニタリング(monitoring)は不要である。


介護福祉士試験に出される問題は、最初の時の対応の話が多いです。最初の対応なので、深い話はしません。たいていは、簡単な自己紹介をしたり、相手を観察したり、相手の希望を聞くぐらいです。

文章1の「苦労を説明する。」というのはおかしいです。文章3の最初に書類の作成はおかしいです。文章4のケア会議に「C職員と病院職員」だけというのもおかしいです。文章5のモニタリングが不要というのもおかしいです。モニタリングとは、現状を観察して把握することを言います。





正答:2


2015年11月18日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題11




問題11 各専門職とその業務に関する次の組み合わせのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。 

1 社会福祉士 ――――――――――――  医療行為の実施

2 介護福祉士 ―――――――――――― 訪問介護(ホームヘルプサービス)の提供

3 介護支援専門員(ケアマネジャー)――― 地域包括支援センターでの権利擁護

4 主任介護支援専門員 ―――――――― 市町村での介護保険被保険者証の交付

5 医師  ―――――――――――――― 介護給付でのケアプラン作成



2つの単語を結びつける問題もよくでます。介護用語を単純な言葉で覚えておくことはいいことだと思います。




解答


×1:社会福祉士は医療行為はできません。医療行為といえば、医師免許、歯科医師免許、看護師免許、助産師免許等の有資格者などがあります。


○2:


×3:地域包括支援センターでの権利擁護は社会福祉士が担当します。社会福祉士は高齢者虐待、成年後見制度の活用、消費者被害の防止、困難事例の検討などを担当します。


×4:
主任介護支援専門員は
1.新人ケアマネジャーの指導、育成、相談などを行ないます。
2.介護が必要な人のケアプランを作成する際のケアマネへの支援や相談などを行ないます。
3.事例検討会や会議を開いて地域のケアマネジャーのスキルアップや交流を図ることを業務とします。


×5:介護給付でのケアプラン作成は介護支援専門員の仕事です。

2015年11月17日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題10



問題10 介護保険の被保険者に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。


1 40歳以上65歳未満の医療保険加入者は、住所のある市町村の被保険者になる。

2 自宅の住所と違う自治体にある介護保険施設に入所して住所変更をした場合は、変更後の市町村の被保険者になる。

3 他の市町村に住所を変更した場合、年度中は転出前の市町村の被保険者の資格を継続する。

4 第1号被保険者の資格の取得および喪失に関する事項は、被保険者本人が市町村に届け出なければならない。

5 他の都道府県に住所を変更した場合、転出前の都道府県に変更届を提出しなければならない。




介護保険の問題はよくでます。いろいろ複雑なことが書かれていますが、介護福祉士試験においては一番、シンプルなものが正答になる場合が多いようです。文章1が一番シンプルで、「そうだよな。」という感覚だと思います。介護保険は勉強すればするほど、苦しくなります。また、いろいろ改正されているので、訳が分からなくなります。だから、介護保険については、基礎だけのことだけ覚えて、あとは勉強しない方がいいです。









解答

1:○

40歳以上の方は介護保険の被保険者です。被保険者は年齢により、第1号被保険者と第2号被保険者に分かれます。

第1号被保険者:65歳以上の方は第1号被保険者になります。介護サービスを利用するときは、介護認定を受ける必要があります。

第2号被保険者:40歳以上64歳の医療保険加入者は、第2号被保険者になります。介護サービスを利用するときは、特定疾病により介護が必要であると認定を受ける必要があります。


2:×


介護保険施設に住所を移した場合、元の市町村の被保険者となります。これは住所地特例という制度です。ただ、これは他市の介護保険施設に入所した場合の特例ですので、他市に住所を移した場合は、移った先の市町村の被保険者になります。平成18年4月から、住所地特例の対象施設に養護老人ホーム、有料老人ホーム、軽費老人ホームなどが加わりました。



3:×

第1号被保険者(65歳以上の人)が引っ越しをして住所が変わったときは、前の住所地の市町村で資格喪失の被保険者証の返還などの手続きが必要です。また、新しい住所地の市町村で資格取得の手続きが必要となります。

なお、第2号被保険者(40歳~64歳の人)の住所が変わったときは、前の住所地の市町村で要介護・要支援認定を受けていた時と被保険者証の交付を受けていた時以外は手続きは必要ありません。

引っ越し先でも引き続いて、介護保険のサービスを利用することができます。この場合、住所を移した日から14日以内に転居先の市町村へ、要介護(要支援)認定申請書に、前の市町村の交付された受給資格証明書を添えて提出すれば、訪問調査や介護認定審査会の判定を受ける必要はありません。それまでと同じ要介護度と認定されます。


4:×

第1号被保険者が行う資格の取得に関する市町村長への届出は、当該被保険者の属する世帯の世帯主が被保険者に代って届出をすることができます。


5:×

2015年11月16日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題9



問題9 介護保険制度の動向に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。 


1 介護保険法の制定に併せて、老人福祉計画策定等を盛り込んだ福祉八法改正が(1990年(平成2年))がなされた。

2 介護保険法の制定後、その実施促進のために高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)が策定された。

3 2005年(平成17年)の介護保険法改正によって、介護予防を重視した制度見直しが行われた。

4 2009年(平成21年)の要介護の認定者数は、2001年(平成13年)に比べ大きく減少した。

5 2011年(平成23年)の介護保険法改正によって、地域包括支援センターが創設された。


介護保険法は比較的、新しい法律です。福祉八法改正やゴールドプランの方が先だと感じたら、文章1と文章2は除外することができます。また、要介護の認定者数が減少するはずがありません。あまりに増えすぎて困っているわけですから。文章4はおかしいです。

あとは介護保険法の歴史ですが、1回目の改正(2006年)で、地域密着型サービスや地域包括支援センターの創設されました。2回目の改正(2012年)で、地域包括ケアシステムの構築です。


介護保険法の問題は毎年、出題されています。それだけ重要な法律です。また、何度も改正されているので、頭の中が混乱しそうです。

少しまとめてみると


●平成元年(1989年)12月 ゴールドプラン

●平成2年(1990年)福祉八法改正

●平成9年(1997年)12月に介護保険法が制定。

●平成12年(2000年)4月に介護保険がスタート

●平成18年(2006年)4月から「改正介護保険法」が施行。「介護予防の導入」「地域密着型サービスや地域包括支援センターの創設」に代表される「予防重視型システムへの換転」です。

●平成24年(2012年)4月、再度改正された介護保険法が施行。この時の改正点は「地域包括ケアシステムの構築」です。高齢者が住み慣れた地域で医療、介護、生活支援等のサービスを総合的に受けられるようにすることでした。

●平成27年(2015年)4月からは、2014年に成立した「地域医療・介護総合確保推進法」の理念に沿って、再び改正された介護保険法が順次施行されています。「地域包括ケアシステム」がより洗練されました。




解答

×1:介護保険法が後にできた法律です。

×2:介護保険法が後にできた法律です。

○3:

×4:要介護者はどんどん増加しています。

×5:平成18年(2006)4月に改正、施行された介護保険法に基づいて創設されました。

2015年11月15日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題8




問題8 社会福祉の推移に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。


1 1980年代の初めに社会福祉の基礎となる福祉六法体制が確立された。

2 1981年(昭和56年)の国際障害者年は、ノーマライゼーション(normalization)の理念を社会に広める契機となった。

3 1990年(平成2年)に社会福祉事業法が社会福祉法に改正された。

4 2003年(平成15年度)に「障害者総合支援法」が施行された。

5 2008年(平成20年度)に「高齢者(こうれいしゃ)虐待(ぎゃくたい)防止法(ぼうしほう)」が施行された。



(注)1 「障害者総合支援法」とは「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

2 「高齢者(こうれいしゃ)虐待(ぎゃくたい)防止法(ぼうしほう)」とは「高齢者(こうれいしゃ)虐待(ぎゃくたい)の防止、「高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。



年代物は苦手な人は捨てた方がいいです。いろいろなものを覚えると余計にこんがります。どうしても覚えたいのなら、ごろ合わせか流れで覚えた方がいいです。


解答

×1:福祉六法は福祉の基礎中の基礎でよく出題されるところです。

(1947年)児童福祉法
(1949年)身体障害者福祉法
(1950年)生活保護法

ここまでが「福祉三法」と呼ばれるものです。1945年に戦争が終わりますから、戦争で、多くの人が死んで、孤児がたくさんいました。また、戦争でけがした人が多く、貧しい人も多かったです。それで「福祉三法」ができました。

(1960年)旧称:精神薄弱者福祉法、(1998年)知的障害者福祉法
(1963年)老人福祉法
(1964年)旧称:母子福祉法(1981年)母子及び寡婦福祉法

福祉三法にこれらを加えた6つの法律を含めて「福祉六法」と呼ばれます。福祉六法が確立したのは最後の(1964年)旧称:母子福祉法です。福祉六法が確立したのは1960年代はじめということです。



○2:

×3:2000年(平成12年)に社会福祉事業法が社会福祉法に改正されました。

×4:2013年(平成25年)4月1日に障害者総合支援法が施行されました。

×5:2006年(平成18年)4月1日に高齢者虐待防止法が施行されました。



2015年11月14日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題7







問題7 国家が国民に保障する最低限度の生活水準を表すよう用語として、正しいものを1つ選びなさい。

1 リハビリテーション

2 エンパワメントアプローチ(empowerment approach)

3 ナショナルミニマム(national minimum)

4 ソーシャルインクルージョン(social inclusion)

5 ウェルビーイング(well-being)




問題7のような単語系はまとめて覚える方がいいです。英語が得意な人は英語の意味から覚えた方がいいです。


リハビリテーション=リハビリ=回復

エンパワメントアプローチ=力を引き出す、利用、援助する=提唱者ソロモン

ナショナルミニマム=国の最小=国が保障する生活の最低限度

ソーシャルインクルージョン=社会の中に含有する。ともに生きていく

ウェルビーイング=健康的に良い状態、幸福な状態




解答

3○



2015年11月13日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題6





問題6 社会福祉法人に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 社会福祉法人の設立許可は、市長、都府県知事または厚生労働大臣が行う。

2 社会福祉法人は、社会福祉事業以外の事業の実施が禁じられている。

3 社会福祉法人の監事は、その法人の理事や職員を兼ねることができる。

4 社会福祉法人は、解散することや合併することが禁じられている。

5 社会福祉事業を行う特定非営利活動法人(NPO法人)は、社会福祉法人の名称を使用できる。



問題6は社会福祉法人に関する問題ですが、社会福祉法人を知らなくても大丈夫です。おかしい文章は除いていって、5択を4択、4択を3択、3択を2択にすればいいのです。

文章2と文章4の「禁じられている」というのもおかしいです。

●「禁じられている」は選ばない

文章3は、監事は監査する立場なので、理事、職員を兼ねることはできないでしょう。そんなことをすれば、監査する意味がありません。文章5も社会福祉法人以外が社会福祉法人の名称を使用することはおかしいでしょう。




解答

○1:各市長:主たる事務所が県内各市の区域内にあってその行う事業が当該市の区域を超えない法人

知事:1主たる事務所が県内の町村の区域内にあってその行う事業が当該町村の区域を超えない法人 2その行う事業が県内の2以上の市町村の区域にわたる法人

厚生労働大臣:その行う事業が2以上の都道府県の区域にわたる法人




社会福祉法人に関する過去問正答のもの


社会福祉法の社会福祉事業経営の準則で、民間社会福祉事業の経営者は、不当に国や地方公共団体に対し、財政的、管理的援助を仰いではならないとされている。


社会福祉法人は、他の社会福祉法人と合併することができる。

社会福祉法人での監事の職務は理事の業務執行の状況を監査することである。

社会福祉法人は、収益事業から生じた収益を、当該社会福祉法人の行う社会福祉事業以外の目的に使用することが認められる

社会福祉法人は社会福祉事業を安定的に行うために、必要な資産を備えていなければならない。

社会福祉法人は公共性が高い事業であるため、税制上各種の優遇措置がなされている。また、社会福祉法人は,公的資金による助成を受けることができる。


2015年11月12日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題5



問題5から問題16まで、「社会の理解」分野から出題されます。



問題5 民生委員の委嘱に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 都道府県知事の推薦によって厚生労働大臣が委嘱する。

2 更正援護に熱意と見識をもっている者の中から都道府県知事が委嘱する。

3 地域の自治会または町内会の役員から市町村長が委嘱する。

4 市町村社会福祉協議会の推薦によって都道府県社会福祉協議会会長が委嘱する。

5 児童福祉法による児童委員に委嘱することは禁じられている。



民生委員の問題はよくでます。

●民生委員のポイントは「知事が推薦、厚生労働大臣が委嘱」です。これを知っていれば、1が正答だとわかります。

文章2の「熱意」ってどうやってわかるの?って感じだし、文章4も同じ「市町村社会福祉協議会」が推薦して委嘱して意味あるの?って感じたし、文章5の「禁じられている」は過激すぎます。

●「禁じられている」は選ばない。

ちなみに「民生委員」は、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員です。


解答 1が○



過去問で正答だったのは


民生委員の根拠法は民生委員法であるが,民生委員は生活保護法において協力機関として位置づけられている。

民生委員は、都道府県知事の推薦によって、厚生労働大臣がこれを委嘱する。

民生委員は,児童福祉法による児童委員を兼務しており、都道府県知事は児童虐待が行われているおそれがあると認められるときは、児童委員に児童の居宅への立入調査を行わせることができる。

担当民生委員は、地域の住民が生活福祉資金における療養・介護資金の借入れを申し込む場合、民生委員調査書を添えて当該市町村社会福祉協議会に提出する。


2015年11月11日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題4




問題4 Aさん(83歳、男性)は介護予防通所介護(デイサービス)を利用し始めた。重度の加齢性難聴(presbycusis)がある。これまで補聴器を使った経験はない。コミュニケーション意欲は高く、介護福祉職とやり取りすることを好む。認知症(dementia)はない。

介護福祉職がAさんと日常のやり取りを始めるときの、コミュニケーション方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Aさんはイラストを多用したコミュニケーションノートを使う。

2 Aさんは挿耳型補聴器を一日じゅう使う。

3 Aさんも介護福祉職も五十音表の文字盤を使う。

4 Aさんは話し、介護福祉職は筆談と併せて発語も行う。

5 Aさんは携帯用会話補助装置を使い、介護福祉職は話す。



文章問題を解く鍵を拾い出す。

1.利用し始めた
2.重度の加齢性難聴
3.これまで補聴器を使った経験はない
4.認知症(dementia)はない


Aさんは利用し始めたばかり、しかも認知症ではない。また、介護福祉職とAさんとの日常のやり取りを始めるときのコミュニケーション方法である。道具というのは、慣れるまで大変なものです。しかも、高齢者が道具の使い方をマスターするのに時間がかかるはず。となれば、解答はひとつしかありません。道具を使わない4です。




解答

×1:介護福祉職がAさんのために「コミュニケーションノート」を使ってもいいが、どうして、Aさんは、健常者である介護福祉職のためにイラストを多用したコミュニケーションノートを使わなければいけないのか。

×2:これまで補聴器を使った経験はないので間違い。また、「一日じゅう」というのはおかしい。補聴器を使う方でも、寝るときは補聴器をはずすはずです。


×3:介護福祉職は健常者なのに、どうして、Aさんは健常者のために五十音表の文字盤を使わなければいけないのか。

○4:

×5:携帯用会話補助装置とは、入力した言葉を音声または文章に交換する携帯式の装置です。

2015年11月10日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題3



介護福祉士試験の問題3と問題4は人間関係とコミュニケーションの分野から出題されます。


問題3 ラポール形成の初期段階のかかわりとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の感情に関心を持つ。

2 利用者の家族環境を詳しく聞く。

3 介護福祉職が詳しく自己紹介する。

4 黙って聴くことに徹する。

5 「なぜ」で始まる質問を繰り返す。



介護福祉士試験のたいていの問題は、最初のかかわりです。最初から「詳しく」行なう必要なんてありません。それを想えば、「徹する」ことも、「繰り返す」ことも不自然です。

●「詳しく」「徹する」「繰り返す」などのしつこいキーワードは避ける。

ラポール形成という言葉がわからなくても、日本語を読んでみて、最初から「しつこい!」というような違和感を感じるはずです。

問題3は問題文を読まなくても、5つの文章を見るだけでも違和感を感じてしまいます。過去問をたくさん解いて、こういう感覚を身につけることが一番の合格の早道だと思います。ちなみにラポールは信頼関係のことです。



解答

○1:話し手に対して、どのように感じているか、どのように考えているか、最初に関心を持つことが重要です。


×2:相手と信頼関係を持とうと思ったら、普通は家族環境のことより、まずは本人自身のことに関心を持つでしょう。

×3:「詳しく」がおかしいです。過去問でも「利用者と介護者との相互の信頼関係の形成を図るために、介護従事者は簡潔な自己紹介をした上で、利用者がどのような生活を送りたいかを聞く」というのがありました。これは正解○でした。 詳しく自己紹介をすることはおかしいです。

×4:黙って聞かれたら気持ち悪いです。時にはあいづちをうちながら傾聴しましょう。

×5:「なぜ」「どうして」を繰り返すと尋問的になってしまいます。

2015年11月9日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題2



問題2 「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 「障害者総合支援法」の基本的な理念のもと、障害者の差別の解消を具体的に実施するためのものである。

2 障害者を身体障害、知的障害および精神障害のある者に限定している。

3 行政機関に対して、障害者に対する合理的配慮を法的義務としている。

4 差別について具体的に定義し、その解消に向けた措置等を定めている。

5 この法律以前に、障害を理由とする差別や不利益な取り扱いの禁止について定めた条例を制定した地方公共団体は存在しない。

(注)1 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

  2 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。




こういう問題がでてくると、正直、心が折れます。っていうか、最初から飛ばしてしまいます。後でゆっくり解く問題だと思います。5択問題を解くテクニックとしては、おかしいと思う文章をどんどんはずしていくことです。そうすれば、5択が4択、4択が3択、3択が2択になります。

あとは運しだいですが、介護福祉士試験の場合は、外国人も受けているので、「素直」に解くというのが大切です。介護福祉士は別に介護福祉士の資格がなくても、介護職員として働くことができます。別に介護福祉士の資格を持っていようが持ってなかろうが、問題の出題者にとってどうでもいい資格です。わざわざ、変化球を投げて、ケアレアミスを誘うほどの試験ではありません。

●素直に問題を解く

問題を解くコツとしては、おかしなキーワードを探すということです。たとえば、5の「存在しない」っておかしくないですか。それから、2の「限定している」もおかしいです。これだけで、5択から3択になりました。

●「存在しない」「限定している」のようなものは選ばない。

1の文章においては、(注)を読むと、「障害者総合支援法」はどちらかというと、障害者差別というより、障害者支援のためのもので、「障害者差別解消法」の基本的理念ではないと思いませんか。

4の文章においては、「差別について具体的に定義し」ところが、差別って定義できるものなのかしらと思いませんか。


解答は3です。



説明文

×1:障害者差別解消法の第一条「この法律は、『障害者基本法』の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ・・・」

×2:障害者差別解消法の第二条の一に「 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」

○3:第7条の2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

×4:障害者差別には定義がありません。

×5:北海道、岩手県、茨城県など、条例を制定してる地方公共団体が多くあります。

2015年11月8日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題1



最初に昨年(第27回)の介護福祉士試験の問題を見てみると


問題1 1956年(昭和31年)当時、肺結核(pulmonary tuberculosis)で国立療養所に入所していた朝日茂氏は、単身で無収入だったために生活扶助(月額600円支給)と医療扶助を受けていた。長年、音信不通だった兄を福祉事務所が見つけ、兄から月1,500円の仕送りが行われることになった。これにより福祉事務所は支給していた月額600円の生活扶助を停止し、医療費の一部自己負担額として月900円の負担を求めた。このことが日本国憲法第A 条に反するものとして朝日茂氏は、1957年(昭和32年)、厚生大臣の決定を取り消すことを求める訴訟をおこした。

この訴訟で焦点となった日本国憲法第A 条が規定する権利として、正しいものを一つ選びなさい。

1 参政権

2 自由権

3 請求権

4 生存権

5 平等権



という問題がでている。介護福祉士試験問題の問題1と問題2は、「人間の尊厳と自立」から出ています。問題1はたいていは長文です。ここで焦ってしまう受験生が多いと思いますが、私は長文は後回しにしょうと思います。でも、問題1は朝日訴訟です。「朝日訴訟」といえば、「生存権」です。


朝日訴訟 = 生存権 憲法第25条

問題1の解答は4です。

日本国憲法第25条「すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面については、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」

○○=○○というものをストックしておきましょう。

2015年11月7日土曜日

介護福祉士試験 最初の5分



いよいよ11月に入って、介護福祉士の筆記試験まで3か月間を切ってしまい、ケアマネの試験対策ではないので、しばらく介護福祉士の過去問対策に力を入れようと思っている。

介護福祉士が受からなければ、ケアマネ受験どころじゃないからね。でも、介護福祉士の資格がなくても、ホームヘルパー2級の資格を持っているので、再来年は実務経験5年以上になればケアマネの受験資格はあります。

ところで試験になったら、私は問題文を最初から読まないで、最初の5分で全部の問題に目を通します。

わかるところから問題用紙に○をつけていきます。これは絶対におかしいところに×をつけていきます。問題文は読みません。流し読みです。問題1のような長文問題は後回しにします。

じっくり見るのは、問題文の最後の「正しいものを一つ選びなさい。」この部分です。でも、24回には「適切でないものを選びなさい。」と否定するものを解答させるものがありましたが、27回はほとんど肯定するものばかりです。

「適切なもの」「最も適切なもの」「正しいもの」など肯定的な質問が多くなりました。これは日本語に精通していない外国人に考慮してのことだと思われます。これだけでも、ずいぶん楽になりました。

文章の正しいものを選べばいいのですから、介護福祉士は5択です。しかも一つしか正解はありません。ケアマネの場合は5つのなかに、正答が2つ、3つあります。それでも、2つ選べとか、3つ選べとか言ってくれるので、まだ、なんとかなると思います。

介護福祉士は文章が5つあるなかの、1つが正答です。わたしは問題文を読まずに、まず、5つ書かれてある文のなかから、正答らしきものに○をつけていきます。それが終わったら、腰を落ち着けて問題文を読んでいきます。


1.最初の5分で全体の問題に目を通す。
2.文章だけ見て、問題文の正答に○をつけていく。まちがっている箇所には×をつける。
3.最初からゆっくり問題を解いていく
4.少なくとも残り30分には、マークシートに記入していく
5.残り5分になったら、名前や受験番号を確認する

2015年11月6日金曜日

介護保険法改正のポイント(要支援者向けサービスを市区町村に)






介護保険には、要介護1、2、3、4、5に向けた「介護給付」と、要支援1、2に向けた「予防給付」とがあります。

このなかの要支援者向けの「予防給付」の訪問介護と通所介護(デイサービス)の2つを切り離して、市町村が運営する「介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)」に移行することなります。

なお、この2つ以外の予防訪問看護や予防福祉用具に関するサービスは予防給付のまま残ることになります。

「新しい総合事業」は、要支援認定を受けた人だけではなく、将来的に要支援、要介護になるリスクの高い人を基本チェックリストで判定して、それに該当する人も対象者となります。

要するにこれまでの要支援者の通所介護と訪問介護を介護保険からはずしてしまいました。要支援者なので、介護の必要性があまりないと見られていると思います。

2015年11月5日木曜日

介護保険法改正のポイント(特別養護老人ホームの入所基準の厳格化)




法改正以前では、特別養護老人ホームなどの施設において低所得者に対して食費や部屋代を補助するしくみがありましたが、今回の法改正で、1000万円以上の貯蓄、夫婦で2000万円以上の貯蓄がある人には、食費や部屋代の補助がなくなりました。

そしてもう一つ変更されたのが、特別養護老人ホームは、法改正以前は要介護1から入所する資格がありましたが、法改正後は、より介護の必要性の高い「要介護3」以上に限定されてしまいました。

ただし、要介護3以上に限定されるのは新規の入所者になりますので、今、入所されている要介護1や2方はそのまま滞在することができます。

ただ例外も認められています。要介護度が1、2と低くても、所定の「やむをえない事情」に該当する場合には新規入所できることになっています。


「やむを得ない事情」の例

1.認知症高齢者であり、常時の見守りや介護が必要
2.知的障害や精神障害なども伴って、地域で安定した生活を続けることが困難
3.家族等による虐待が深刻であり、心身の安全・安心の確保が不可欠


などが挙げられています。

2015年11月4日水曜日

介護保険法改正のポイント(低所得者の保険料の軽減)




今回の改正で低所得者の保険料が軽減されました。これまで低所得者の保険料は一般の人の保険料の50パーセントから75パーセントだったのに、30パーセントから70パーセントに軽減されます。しかも、保険料に関しては貯蓄の金額は関係ありません。

軽減の対象になる人は、

1.世帯全員の市町村民税が非課税
2.本人が非課税であること

が前提です。


2015年4月から軽減されます。

①生活保護被保護者、世帯全員が市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者、世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入等80万円以下

基準額×50% → 基準額×30%


②世帯全員が非課税かつ本人年金収入等80万円超120万円以下

基準額×75% → 基準額×50%


③世帯全員が市町村民税非課税かつ本人年金収入120万円超等

基準額×75% → 基準額×70%



※保険料基準額は市区町村により異なっています。

2015年11月3日火曜日

介護保険法改正のポイント(貯金によって自己負担)



2015年の法改正によって、所得の高い人の自己負担が2割になってしまいました。なかには低所得者でも金持ちはたくさんいます。

これまで介護保険では、住民税の非課税世帯を低所得者としていました。でも、預貯金をたくさん持っている人や課税されない遺族年金を多くもらっている人もいます。

低所得者はお金がなくて、介護サービス費用を払えないから優遇されているのに、これでは本末転倒です。今回の法改正では、貯蓄が多い人の施設の食費や部屋代の補助はなくしました。

特別養護老人ホームなどの施設において、低所得の方に対して食費や部屋代を補助する仕組みがあります。


住民税非課税の低所得者でも

「単身で1000万円超、夫婦で2000万円超」

の貯金があれば補助は廃止です。


また、これまでは配偶者に十分な収入があっても、住民票上で世帯を切り離す、つまり世帯分離をすると、利用者は収入のない世帯として補足給付が受けることができました。これができなくなります。

2015年11月2日月曜日

高額介護サービス費支給制度




介護保険法の改正で所得が一定以上の利用者の自己負担は2割になりました。これまで1割だったものが2割になったということは、これまでの2倍、支払わなければいけません。

介護保険を多く使用していると、2割負担という法改正はすごく苦しいです。でも、所得一定以上のすべての人が2割負担になるわけではありません。

それが「高額介護サービス費」という制度です。

高額介護サービス費とは自己負担額が一定額を超えると頭打ちになる制度です。医療費も高額療養費制度があって、月の初めから終わりまでの医療費が高額になった場合には、一定の自己負担額を超えたお金が払い戻されます。

それと同じように介護費も一定の自己負担額を超えた場合にはお金が払い戻されます。一定の自己負担額は所得によって異なってきますが、でも、最近、所得の高い人の上限金額が、3万7200円から4万4400円に引き上げられました。逆にいえば、どんなに金持ちであっても、4万4400円以上の負担はないということになります。

ただし、高額介護サービス費の対象外のものがあります。たとえば、老人ホームなどの居住費や食費、差額ベッド代、生活費は対象外です。また、在宅の場合は、福祉用具の購入費や住宅改修費は対象外となります。

2015年11月1日日曜日

10月からの介護福祉士試験のスケジュール



介護福祉士試験の場合はたいてい10月から勉強する人が多いです。10月から12月までの3か月間の勉強で充分合格できる試験だと思います。受験する人が高齢の方が多いので、その前から勉強していると忘れてしまうのだと思います。

10月  基本書
11月  過去問
12月  問題演習

をしている人が多いのではないかと思います。

私は最初、基本書を勉強していましたが、まったく頭に入りませんでした。しかたがないので過去問を解くことにしました。過去問のなかには、基本書の内容が頭に入ってなくても、結構、介護の常識問題で解ける問題がありました。基本書を勉強しなくても、介護の経験から点数の取れる問題があります。

私は過去問で5~6割を正答することができました。6割あれば合格する試験です。5割だと残念ながら落ちてしまいますが、基本書に時間をかけるよりも、過去問を何回も解いて、その解説を読んだ方が頭に入りました。新しい領域になっての過去問は4回しかありませんので、4回の過去問を繰り返し解いています。過去問は7割~8割は確実に解けるようになりました。

あとは、試験日の日まで、ひたすら予想問題や再度、過去問を解き続けようと思っています。