2016年2月22日月曜日

超高齢社会



総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合を高齢化率という。

世界保健機構(WHO)や国連の定義によると、高齢化率が
7%を超えた社会を「高齢化社会」、
14%を超えた社会を「高齢社会」、
21%を超えた社会を「超高齢社会」という。


日本がはじめて「高齢化社会」となったのは1970年です。

そのわずか24年後の1994年には「高齢社会」、
2007年に高齢化率が21%を超え、「超高齢社会」になりました。


2016年2月21日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題106



問題106 睡眠に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 ヒトは下垂体に体内時計がある。

2 抗ヒスタミン薬は覚醒作用がある。

3 睡眠は深さよりも長さが重要となる。

4 レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。

5 最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。






解答

×1:下垂体ではなく、人の体内時計の中心は、脳の「視交叉(さ)上核」という部位にあります。

×2:覚醒作用はありません。抗ヒスタミン薬の副作用は、眠気をはじめとして、抗コリン作用からくる口渇、便秘、排尿困難などがあります。

×3:睡眠は長さよりも深さが重要となります。

×4:レム睡眠にはおよそ90分ごとに出現する周期があります。

○5:ノンレム睡眠はぐっすりと熟睡した状態の眠りです。

2016年2月20日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題105



問題105 多尿の原因として、正しいものを1つ選びなさい。


1 脱水

2 副交感神経優位

3 前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)

4 ビタミンC(vitamin C)の過剰摂取

5 糖尿病(diabetes mellitus)





解答

×1:脱水では、尿量が減少します。

×2:副交感神経優位では尿意を感じることはありますが、多尿とは関係ありません。交感神経が緊張すると「かっと目は見開き,喉はからからで血圧や脈拍は上昇し、お腹もすかないし尿意も催さない」というような状態になります。副交感神経緊張状態では,その逆で血圧や脈拍は下降し,唾液が出たりお腹が鳴って空腹感を訴えたり尿意を感じたりします。

×3:前立腺肥大症の症状は、尿の勢いがない、尿がすぐ出ない、少ししか出ないなどです。

×4:ビタミンC(vitamin C)の過剰摂取では、お腹が張ったり、下痢を起こす原因になると考えられていますが、多尿は認められません。

5:○糖尿病では、血中ブドウ糖が増加し尿に漏れ出し、尿の浸透圧が上昇して尿量が増えます。


2016年2月19日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題104



問題104 弛緩性便秘の原因として、正しいものを1つ選びなさい。


1 大腸の蠕動運動の低下

2 過敏性腸病症候群(irritable bowel syndrome)

3 自律神経の失調

4 排便反射の低下

5 大腸がん(colorectal cancer)






正答:1

蠕動(ぜんどう)運動とは、腸が伸縮を繰り返し、便を肛門へと運ぶ動きのことです。 一般的な便秘の原因は、 この蠕動運動が弱くなっていることにあるといっても過言ではありません。

2016年2月18日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題103



問題103 入浴による静水圧の直接的な作用として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 毛細血管の拡張

2 関節への負担の軽減

3 下肢のむくみの軽減

4 体重による負担の軽減

5 老廃物の排泄の促進





正答:3


長時間、立ち仕事や座り仕事を続けていると、足が疲れてだるくなり、特にひざから下がむくむことがあります。これは下半身に血液が下がって流れが悪くなっているためです。

下肢のむくみには入浴時の静水圧が有効です。静水圧とは、水中の全方向から等しく水の重さがかかる圧力のことです。皮下の血管にも働く静水圧により、血液やリンパの流れを良くして循環器系の働きを活発にします。

2016年2月17日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題102


問題102 食事のたんぱく質制限が必要な疾患として、正しいものを1つ選びなさい。


1 胃潰瘍(gastric ulcer)

2 尿毒症(uremia)

3 痛風(gout)

4 脂質異常症(dyslipidemia)

5 狭心症(angina pectoris)






解答

×1:胃潰瘍で注意が必要なことは、1過食過飲 2酒の飲みすぎ 3甘い菓子のとりすぎ 4刺激性食品のとりすぎなどです。

○2:腎臓から排泄される老廃物(尿毒素)が体内にたまると、全身に様々な症状が出てきます。これらを総合したものが尿毒症です。慢性腎臓病、腎不全の終末像です。体を守り、しかも腎臓のはたらきを保持するにはタンパク質を抑え、エネルギーを確保するための工夫が必要となります。

×3:プリン体を多く含む食品などの制限や、水分を取ること、体重を減らすなどの対策が必要です。

×4:たんぱく質の制限は関係ありません。脂質異常の対処法 1 偏らず「栄養バランスのよい食事」をとる。2 摂取総エネルギー量を抑えて、適正な体重を保つ。3 飽和脂肪酸(おもに獣肉類の脂肪)1に対して不飽和脂肪酸(おもに植物性脂肪や魚の脂)を1.5~2の割合でとる。4 ビタミンやミネラル、食物繊維もしっかりとる。6 高コレステロールの人は、コレステロールを多く含む食品を控える。6 中性脂肪が高い人は、砂糖や果物などの糖質とお酒を減らす。

×5:タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを不足させないことが大切です。

2016年2月16日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題101



問題101  誤嚥を防止している部位として、正しいものを1つ選びなさい。

1 甲状軟骨

2 口蓋垂

3 喉頭蓋

4 口蓋扁桃

5 食道






正答:3



2016年2月15日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題100



問題100  廃用症候群(disuse syndrome)として、正しいものを1つ選びなさい。


1 筋肥大

2 高血圧

3 頻脈

4 褥瘡

5 躁病(mania)




正答:4


廃用性症候群は、治療を必要とする疾患によって安静臥床を余儀なくされている状況です。運動をしないこと、寝ていることで長時間を過ごすことにより生じます。




2016年2月14日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題99



問題99 糖尿病(diabetes mellitus)のある人の身支度の介護で、異変の有無について特に観察すべき部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1 毛髪

2 耳介

3 鼻腔

4 手指

5 足趾(指)



正答:5

糖尿病により神経の障害があると足趾(指)のしびれや痛みを生じます。

2016年2月13日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題98



問題98  関節運動とその主動作筋(主として働く筋肉)の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。


1 肩関節外転 ―――――――――――― 上腕二頭筋

2 手関節屈曲 ―――――――――――― 上腕三頭筋

3 股関節屈曲 ―――――――――――― 腸腰筋

4 股関節伸展――――――――――――― 腹直筋

5 足関節伸展 ―――――――――――― 下腿三頭筋




解答

×1:三角筋(中部)

×2:橈側手根屈筋

○3:主動作筋:腸腰筋(大腰筋、腸骨筋) 補助筋:大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋

4×:大殿筋

×5:前脛骨筋



関節運動と主動作筋に関する過去問題

問題 筋肉の収縮とそれに対応して起こる身体各部の運動に関する次の組み合わせのうち、誤っている者を一つ選びなさい。

1大腿四頭筋  →膝関節の伸展
2三角筋     →肩関節の外転
3上腕三頭筋  →肘(ちゅう)関節の伸展
4横隔膜     →胸郭(きょうかく)の縮小
5腸腰筋     →股(こ)関節の屈曲



解答 
○1:大腿四頭筋は膝関節の伸展を行う筋です。
○2:これは鎖骨と肩甲骨から上腕骨にある筋肉です。上腕の外転を行う筋肉です
○3:上腕の後ろにある筋肉です。肘関節の伸展をつかさどります。
×4:横隔膜は胸部と腹部を分けている筋肉で胸郭を広げることで肺に空気を送り込む働きをするものです。したがって間違いです。
○5:腸腰筋は股(こ)関節の屈曲させる働きをもちます。

2016年2月12日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題97



問題97  記憶に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。


1 短期記憶では、膨大な情報の貯蔵が可能である。

2 記憶には、記銘と保持と想起の3つの過程がある。

3 手続き記憶とは、自分に起こった出来事に関する記憶である。

4 エピソード記憶とは、一般的な知識についての記憶である。

5 記憶の処理は、中脳で行われる。



解答

×1:短期記憶とは、短期間保持される記憶です。

○2:

×3:手続き記憶は思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶です。

×4:エピソード記憶は、個々の経験・体験の記憶を指します。

×5:記憶はいったん脳の奥の海馬という部位に保存されます




記憶に関する過去問題 正答



1 記憶は、保持時間の長さの違いから、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分けられる。

2 エピソード記憶とは過去にたいけんした喜怒哀楽や驚きにみちた出来事などを思い出して語ったりする記憶のことである。

3 エピソード記憶は、個々の経験・体験の記憶を指す。

4 短期記憶とは、短期間保持される記憶である、と定義されています。

5 手続き記憶は思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶。ピアノの弾き方、自転車の乗り方などがその例である。





1:感覚記憶は感覚刺激を感情情報の「まま保持する記憶のことをいいます。加齢に伴い、感覚器官が衰えてくるので感覚記憶の情報量は減ってきます。

2:結婚したことや戦争体験を思い出す記憶のことをいいます。

3:特に覚えておこうと思わなくても、自然に脳に蓄積されているのがこのエピソード記憶です。

2016年2月11日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題96



問題96  Eさん(35歳、女性)は、出産時に脳出血(cerebral hemorrhage)を起こした。現在は片麻痺で車いすを利用し、高次脳機能障害(higher brain dysfunction)による注意障害を持ちながら、乳児を育てている。このようなEさんに対して、多職種による支援が行われることになった。

Eさんにかかわる専門職とその支援内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会福祉主事が家事援助サービスを提供する。

2 保健師が子育て相談を行う。

3 身体障害者福祉司が治療体操を行う。

4 知的障害者福祉司が精神障害者福祉手帳の申請を行う。

5 介護支援専門員(ケアマネジャー)がサービス等利用計画を作成する。

 


正答:2


子育てをする者の相談相手となり、適切な栄養指導、育児指導をおこなう専門職としては保健師が適当です。

2016年2月10日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題95



問題95  Dさん(38歳、女性)は、知的障害があり、障害者支援施設で生活保護を受けながら生活している。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)は自立しているが、家事や金銭管理に援助が必要な状況である。家族から経済的・精神的な支援は期待できない。

ある日、Dさんから、「仕事はできないけれど、ここから出て暮らしてみたい」という希望があり、検討することになった。

Dさんの地域生活を実現するための支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 指定一般相談事業者の利用を勧める。

2 発達障害者支援センターに支援計画の作成を依頼する。

3 移動援護の支給申請を行う。

4 就労移行支援の利用を勧める。

5 地域包括支援センターに支援を要請する。  



正答:1


地域移行支援は指定一般相談事業者が行います。ここでは入所施設や精神科病院等からの退所・退院にあたって支援を要する者に対し、入所施設や精神科病院等における地域移行の取組と連携しつつ、地域移行に向けた支援を行います。

2016年2月9日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題94



問題94 上肢リンパ浮腫のある人が日常生活で心がけることとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 手袋をしないで庭の手入れをする。

2 体重の増加を防ぐ。

3 患側で血圧を測定する。

4 サウナ浴を行う。

5 きつめの肌着を着る。




正答:2



リンパ浮腫とは、リンパを輸送するシステムのトラブルにより、リンパをうまく血液中に戻すことができず、細胞と細胞の間にリンパがたまってしまった状態をいいます。その結果、腕や足に腫れやむくみ(浮腫)があらわれます。

リンパ腫の予防の1つに体重の減量があります。体重の増加により皮下脂肪が体表のリンパ管を圧迫し、リンパの流れが悪くなります。

その他の予防方法として、熱いお風呂に入るなど過度に体を温めないこと。患側上肢に負担をかけないこと、また皮膚を傷つけないことなどがあります。

2016年2月8日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題93



問題93  適応機制の1つである「昇華」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 認めたくない欲求を心の中に抑え込んでしまおうとする。

2 名声や権威に自分を近づけることで、自分の価値を高めようとする。

3 自分に都合の良い理由をつけて、自分を正当化しようとする。

4 発達の未熟な段階に後戻りして自分を守ろうとする。

5 直ちに実現できない欲求を、価値ある行為に置き換えようとする。





解答

×1:抑圧

×2:同一化

×3:合理化

×4:退行

○5:昇華



○適応機制に関する過去問題 正答


1 欲求不満に陥った場合に、芸術やスポーツに打ち込んで満足を得る行動を昇華という。

2 適応機制(防衛機制)の同一化とは、自分にない名声や権威に自分を近づけることによって、自らの価値を高めようとする機制である。

3 適応機制(防衛機制)の合理化とは、一見もっともらしい理由をつけて、自分を正当化しようとする機制である。

4 適応機制(防衛機制)の逃避とは、直面している苦しくつらい現実から逃避することにより、一時的に心の安定を求める機制である。

5 適応機制(防衛機制)の抑圧とは、実現困難な欲求を心の中におさえこんでしまう機制である。

6 適応機制(防衛機制)の退行とは、たえがたい事態に直面したとき、発達の未熟な段階にあともどりして自分を守ろうとする機制である。

7 適応機制(防衛機制)の攻撃とは、他人や物を傷つけるなどして、欲求不満を解消しようとする機制で、直接的なものと間接的なものとがある。

2016年2月7日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題92



問題92 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の関節保護の方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 コップは片手で持つ。

2 荷物は指先で持つ。

3 ドアの取っ手は丸いものを使う。

4 便器に補高便座をのせる。

5 就寝時には高い枕を使う。




正答:4

2016年2月6日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題91



問題91 知的障害者に対する支援方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 本人のいないところで、本人のことを決める。

2 子供に接するようにかかわる。

3 失敗経験をさせないように先回りをする。

4 何かを伝えるときは、言葉だけでなく身振りや絵などを使う。

5 社会的マナーに違反したときは、時間がたってから注意する。 





正答:4

2016年2月5日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題90



問題90 高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の原因疾患として、正しいものを1つ選びなさい。

1 ダウン症候群(Down’s syndrome)

2 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)

3 自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)

4 統合失調症(schizophrenia)

5 脳炎(encephalitis)

 

解答

×1:21番目の染色体が3本あるために起こる生まれつきの疾患で、染色体異常による疾患のうち一番頻度のたかいものです。

×2:原因は完全に解明されていませんが、脳内のニューロン・シナプスが脱落し神経細胞が壊れ、脳が萎縮していき、知能、身体全体の機能も衰える病気です。

×3:自閉症の原因はまだ特定されていませんが、多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる、生まれつきの脳の機能障害が原因と考えられています。

4×:統合失調症は、さまざまな刺激を伝えあう脳をはじめとした神経系が障害される慢性の疾患です。





○高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の原因(多い順番)

1  脳血管障害:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など

2 外傷性脳損傷:交通事故や転落事故などの際に頭に強い衝撃が加わることで、脳挫傷や脳の神経線維が傷つくものです。

3 その他の原因:脳炎など


2016年2月4日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題89



問題89 統合失調症(schizophrenia)の陰性症状に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 感情の動きが乏しくなる。

2 誰かに支配されているような感覚を抱く。

3 あるはずのない声が聞こえる。

4 危険な状態にあると思いこみ、強い不安や敵意を抱く。

5 話の内容が徐々に変わり、まとまりが少ない。



正答:1

感情の動き、表現が乏しくなったり、意欲が低下する症状を示すのが統合失調症の陰性症状です。その他、陰性症状には、会話をしていても、比喩などの抽象的ないい回しが使えなかったり、理解できなかったりする思考の貧困や、自発的に何かを行おうとする意欲が無くなってしまったり、いったん始めた行動を続けていくことができなくなる意欲の欠如があります。





○統合失調症の陽性症状

1  妄想:誰かが自分の悪口を言っているなど明らかに間違った考えなどに、強い確信をもってしまうこと。

2  幻覚:実際には存在しないものが見えること。実際には聞こえない音が聞こえること。

3 思考障害:思考が混乱してしまい、考え方に一貫性がなくなってしまうこと





統合失調症の陽性症状、陰性症状に関する過去問題 正答


1 統合失調症の陽性症状には幻覚(幻聴、幻視など)、妄想、思考の障害(洞察力の欠如、支離滅裂な言語など)、強いイライラ、激しい興奮などがある。

2 統合失調症の陰性症状には感情の鈍磨、興味の喪失、引きこもり、意欲の低下、身だしなみ、衛生面にかまわない、食事に無関心、気分の落ち込みなどがある。

2016年2月3日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題88




問題88  ノーマライゼーション(normalization)の理念に通じる制度や事業に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「バリアフリー新法」の制定

2 救急医療体制の整備

3 国民皆年金の実現

4 大規模な障害者入所施設の整備

5「育児・介護休業法」の制定

(注)1「バリアフリー新法」とは「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」のことである。

   2「育児・介護休業法」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。





正答:1


バリアフリー新法の第1条で目的を明確化されており、バリアフリー新法は高齢者や障害者の日常生活や社会生活を保護するために、公共交通機関(空港、道路、駐車場、公園など)の整備を推進することを目的とした法律とされ、高齢社会において増加した障害者の方や高齢者の方が、健常者の方と変わらない社会生活を送れるような公共施設の整備が施策されました。

ノーマライゼーションの理念は、北欧から世界へ広まった障害者福祉の重要な理念で、障害者を特別視するのではなく、一般社会の中で普通の生活が送れるよう な条件を整えるべきであり、共に生きる社会こそノーマルであると いう考え方ですが、バリアフリー新法はノーマライゼーションの理念に通じる法律といえます。




ノーマライゼーションに関する過去問題 正答


1 障害者基本計画は、リハビリテーション及びノーマライゼーションの理念を継承するとともに、共生社会の実現を目指している。

2 ノーマライゼーションとは「障害者を排除するのではなく、障害を持っていても健常者と均等に当たり前に生活できるような社会こそがノーマルな社会である」という考え方である

3 ノーマライゼーションはデンマークのバンク=ミケルセンにより初めて提唱され、スウェーデンのニイリエにより世界中に広められた。ニイリエはノーマルな社会の条件をノーマライゼーションの八つの原理にまとめました。

4 デンマークではノーマライゼーション思想の普及の中で、国が運営していた大規模な障害者施設が解体された。

2016年2月2日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題87




問題87  身体障害の種類とその状態の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 聴覚障害 ――――― 嚥下障害

2 肢体不自由 ―――― 構音障害

3 平衡機能障害 ――― 意識障害

4 内部障害 ――――― 呼吸器機能障害

5 視覚障害 ――――― 半側空間無視





正答:4



身体障害者福祉法で定めている内部障害は以下6つあります。

人数の多い順に記すと、
1 心臓機能障害
2 腎臓機能障害
3 膀胱・直腸機能障害
4 呼吸器機能障害
5 小腸機能障害
6 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(HIV)




半側空間無視は、大脳半球が障害されて半側からのあらゆる刺激(視覚、聴覚、触覚等)を認識できなくなる症候のことです。


2016年2月1日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題86




問題86  Cさん(83歳、女性)は、昨年、夫を亡くしてから一人暮らしをしている。ここ半年ほど自宅に閉じこもっていることが多く、他者との交流が減っている。一人息子は、他県で家庭を築いている。以前、夫が利用していた通所介護(デイサービス)事業所に、ある日、Cさんから次のような電話が入った。「物忘れが多くなり、心配になって受診したところ軽度認知障害(mild cognitive impairment)だと言われた。認知症(dementia)で判断が出来なくなる前に、いろいろ整理しておきたい。夫も先に逝っていることだし、運命を静かに受け入れようと思う」

電話を受けた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 心配ないから気にしないように励ます。

2 他県に住む息子と同居することを勧める。

3 成年後見制度を紹介する。

4 居宅介護サービスの利用を勧める。

5 地域包括支援センターを紹介する。

 




正答:5


2016年1月31日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題85




問題85 認知症サポーターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症(dementia)の人やその家族を見守り、支援する。

2 10万人を目標に養成されている。

3 認知症介護実践者等養成事業の一環である。

4 認知症ケア専門の介護福祉職である。

5 国が実施主体となって養成講座を行っている。




正答:1


認知症サポーターは認知症について正しい知識をもち、認知症の人や家族を応援し、だれもが暮らしやすい地域をつくっていくボランティアです。



○実施主体:都道府県、市町村、職域団体等

○対象者:〈住民〉自治会、老人クラブ、民生委員、家族会、防災・防犯組織等〈職域〉企業、銀行等金融機関、消防、警察、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、宅配業、公共交通機関等〈学校〉小中高等学校、教職員、PTA等

2016年1月30日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題84




問題84 ふりかけをかけたご飯を、「アリがたかっているから食べられない」と訴えるレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の人への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 落ち着いて口に入れてみることを勧める。

2 「アリはいません、おなかが空くので食べてください」と促す。

3 「好きなものがありましたよ」と好物を示して食事を勧める。

4 通常のご飯に取り替えて、「もう大丈夫でしょうか」と食事を勧める。

5 「おなかが空いていないのなら、無理して食べなくてもいいですよ」と下膳する。

 





正答:4



2016年1月29日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題83




問題83 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の人によく見られる症状に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 社会ルールや常識的な規範が分からなくなる。

2 動作が緩慢で動きがぎこちない。

3 ちょっとしたことで泣いたり笑ったりする。

4 現実的で具体的な幻視がある。

5 料理の手順が分からなくなる。




正答:1



2016年1月28日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題82




問題82  認知症(dementia)による実行機能障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 いつもと違うことがあると混乱して自然な行動ができない。

2 計画を立てて段取りをすることができない。

3 交通機関の自動改札機をスムーズに通れない。

4 2つ以上のことが重なるとうまく処理できない。

5 新しいことや大切なことが覚えられない。






正答:2


2016年1月27日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題81




問題81  認知症の行動・心理症状(BPSD)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 親しい人がわからない。

2 言葉を口に出すことができない。

3 十分に寝ることができない。

4 トイレの水を流すことができない。

5 数の計算ができない。







正答:3

2016年1月26日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題80




問題80 早期発見で改善が可能な認知症(dementia)として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)

2 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)

3 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)

4 血管性認知症(vascular dementia)

5 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)




正答:1
認知症の1割弱程度で、治療可能なのが「正常圧水頭症」です。早期に発見しさえすれば、治癒も見込まれます。しかし、きちんと受診して診察を受けないと、病状が年のせいとして片づけられてしまうことがあります。注意が必要です。

「正常圧水頭病」は歩行障害(開脚歩行など)、認知障害、排尿障害を特徴とする疾患です。歩行障害が最も早期から出現します。


2016年1月25日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題79




問題79  認知症(dementia)と比較した場合のせん妄(delirium)の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。

1 ゆるやかに発症する。

2 徐々に進行、悪化していく。

3 覚醒水準の低下を伴うことは少ない。

4 幻覚を伴うことは少ない。

5 日内変動を認めることが多い。





正答:5





せん妄に関する過去問題 正答


1 認知症によく似た症状を示すものにせん妄とうつ病がある。

2 せん妄は意識障害の一つで、この障害により注意力や集中力が続かず、時間や場所が判らなくなったりするので認知症と間違えられることがある。

3 高齢者のせん妄は夜間におこることが多いので夜間せん妄といわれる。

4 せん妄は、夕方から夜間に好発し、日中には消退するという睡眠・覚醒リズムの障害が現れる。

5 せん妄状態は軽度や中等度の意識障害の際に、幻覚・錯覚や異常な行動を呈する状態で意識状態は混濁している。

6 せん妄状態では、その時の出来事を覚えていないのが特徴である。

7 せん妄の原因の一つに向精神薬等の投与がある。

8 せん妄は突然起こり、良くなったり悪くなったりの変動がみられる。

9 せん妄は、意識が混濁して、幻覚や錯覚がみられる状態のことで、大声で騒いだり、人を呼んだりすることがある。

10 せん妄は脳内の一過性におこる障害と考えられるので、まずは穏やかに対応し落ち着きを取り戻すケアが求められる。


11 高齢者で認知症では不眠状態が続いたりすると、夜間せん妄を起こしやすくなる。また、意欲の低下、感情が不安定になると僅かな刺激で泣いたり、笑ったり、怒ったりする情動失禁にいたることがある。

2016年1月24日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題78




問題78 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準「ランクⅢ」の内容として、正しいものを1つ選びなさい。

1 日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。

2 著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤(じゅうとく)な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。

3 室内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ。

4 日常生活に支障を来すような 症状・行動や意思疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。

5 何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する。






正答:4




2016年1月23日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題77




問題77  イギリスの心理学者キットウッド(Kitwood,T.)が提唱した、「パーソン・センタード・ケア(person-centred care)」の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症(dementia)の人の行動・心理症状(BPSD)を無くすること

2 認知症(dementia)の人を特別な存在として保護すること

3 認知症(dementia)の人のケアマニュアル(care manual)をつくること

4 認知症(dementia)の人の「その人らしさ」を支えること

5 認知症(dementia)という病気を治療すること




正答:4


2016年1月22日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題76




問題76 パーキンソン病(Parkinson disease)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 40歳代で発症することが最も多い。

2 突進現象が認められる。

3 筋肉の異常が原因である。

4 認知症(dementia)を合併することはまれである。

5 発病後5年以内に死亡することが多い。

 




正答:2


2016年1月21日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題75




問題75 高齢者の肺炎(pneumonia)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 日本の高齢者(65歳以上)の死因順位(2011年(平成23年))で第一位である。

2 インフルエンザ(influenza)に合併することはまれである。

3 初発症状は高熱である。

4 呼吸数は減少する。

5 誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の予防には口腔ケアが有効である。 






正答:5


2016年1月20日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題74




問題74 褥瘡の発生部位として、最も頻度の高いものを1つ選びなさい。


1 大転子部

2 肩甲骨周辺

3 仙骨部

4 踵部

5 肘関節



正答:3



仙骨に最も褥瘡ができやすいのは、仰臥位では、仙骨に全体重の約5割が集中するからです。

2016年1月19日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題73




問題73 脱水時の状態として、正しいものを1つ選びなさい。


1 除脈(じょみゃく)

2 血圧の上昇

3 皮膚緊張の増加

4 めまい

5 体重の増加






解答

×1:脱水では頻脈(心拍が非常に速くなる)になります。徐脈(心拍が非常に遅くなる)ではありません。

×2:脱水症の時は体液量の減少によって1回心拍出量が減少し、血圧が低下します。

×3:皮膚の緊張感が低下します。皮膚を指でつまみ上げてから離して周辺の皮膚に戻るまでの時間が長くなります。

○4:脱水症状としては、口渇、口唇の乾燥、尿量の減少、頭痛、全身倦怠感、食欲不振、めまい、嘔気、嘔吐などが挙げられます。

×5:水分が体から出て行きますから、体重は減少します。





2016年1月18日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題72





問題72 死別直後の遺族の心理に関する次の記述のうち。最も適切なものを1つ選びなさい。

1 周囲からのサポートに関係なく、死別後の生活に適応する。

2 悲嘆の経験は、心身に影響を及ぼさない。

3 悲嘆のプロセスは、多くの人で同じように進む。

4 十分に悲しむことが、悲嘆を乗り越えるために有効である。

5 遺族の心理的ケアは、緩和ケアに含まれない。



正答:4

2016年1月17日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題71





問題71  老年期の精神疾患(mental disease)と精神症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 老年期うつ病(senile depression)は、若年者のうつ病(depression)と比べて抑うつ気分が軽い。

2 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、脳の器質的変化を伴わない。

3 うつ病(depression)等で自殺を試みた高齢者が死に至る率は、若年者の場合と比べて低い。

4 せん妄(delirium)は夜間よりも昼間に生じやすい。

5 老年期に発病した統合失調症(schizophrenia)は、妄想型が少ない。





解答

○1:高齢期のうつは若年者に比べて見逃されやすいです。悲哀の訴えが少なくて、気分低下やうつ思考が目立たないのが特徴です。

×2:アルツハイマー型認知症では器質的変化をもたらします。器質的変化とは組織や細胞が変形、変性あるいは破壊され、元の形に戻らなくなるように変化することです。


×3:自殺を試みた高齢者が死に至る率は若年に比べて高齢者のほうが高いです。

×4:せん妄(delirium)は意識レベルが低下する夜に起きやすいです。

×5:高齢者の統合失調症(schizophrenia)は妄想型が特徴です。



2016年1月16日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題70





問題70  プロダクティブ・エイジング(productive aging)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 バルテス(Baltes,P.)が最初に提唱した。

2 高齢者の経済的自立を目指した概念である。

3 エイジズム(ageism)による高齢者のとらえ方を肯定した概念である。

4 主観的幸福感とは無関係である。

5 プロダクティブ(productive)な活動には、セルフケア(self-care)が含まれる。




正答:5


プロダクティブ・エイジングとは生産的な高齢者の意味です。アメリカの老年学の権威であるバトラー(Butler, R. N.) によって提唱されました。プロダクティブ・エイジングは高齢者に自立を求め、さらに様々な生産的なものに寄与するべきであると説いてます。

2016年1月15日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題69





問題69 A君は、積み木を飛行機に見立ててB君と遊んでいた。大人がA君とB君の目の前で、おやつのジュースを一人150mlずつになるように計った。しかし、同じ大きさのコップがなかったので、それぞれ形の違うコップに入れて与えた。A君にジュースを入れがコップを渡したところ、A君は「B君のほうが量が多い」と言って泣き出した。

ピアジュ(Piaget,J.)によるA君の認知発達段階として、適切なものを1つ選びなさい。

1 形式的操作期

2 感覚運動期

3 前操作機期

4 再接近期

5 具体的操作期 




正答:3



●ピアジェの発達段階

○感覚運動期(誕生から約2歳まで):感覚運動期の最初の頃は目の前にあるものを隠しても子どもはそれを探そうとしないが、後半になると探そうとします。

○前操作期(子どもが話し始めてから約7歳まで):頭の中で表象して考えることはできるが、論理をまだ把握できず、見かけに引きずられる。

○具体的操作期(小学1年生から青年前期):前操作期と違いイメージやシンボルを論理的に変化させ、再構成することができます。

○形式的操作期(子供の認知発達の最終段階):「抽象概念および仮説上の出来事に関して合理的、系統的に考える」能力を持っている子どもと定義されています。



2016年1月14日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題68




{事例}

Fさんは10年前、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断された。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)全般に、動作がゆっくり時間がかかる。Fさんは大柄だが、長女は小柄でやせており、入浴介助が難しい。訪問介護(ホームヘルプサービス)を週3回(入浴介助、長女が留守の時の調理)、通所リハビリテーションを週1回、配食サービスを週1回利用している。居宅介護サービス計画の方針は、Fさんの体調に考慮しながら、住み慣れた自宅で安心して暮らせるように支援することである。ある日、長女から「お弁当を食べていないことが時々ある」「お父さんが重くて腰が痛い」「そろそろ施設入所を考えている」と話があった。

訪問介護員(ホームヘルパー)はFさんの声が小さく、言葉がはっきりせず聞き取りにくくなったと感じている。



問題68  チームアプローチ(team approach)での訪問介護員(ホームヘルパー)の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 配食サービスをやめて、訪問介護(ホームヘルプサービス)を増やすように計画を変更する。

2 施設への入所手続きを代行する。

3 浴室を改修する見積もりを業者に依頼する。

4 本人と家族の思いをケアカンファレンス(care conference)で報告する。

5 訪問介護員(ホームヘルパー)の腰痛予防対策をケアカンファレンス(care conference)で話し合う。




正答:4


2016年1月13日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題67




{事例}

Fさんは10年前、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断された。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)全般に、動作がゆっくり時間がかかる。Fさんは大柄だが、長女は小柄でやせており、入浴介助が難しい。訪問介護(ホームヘルプサービス)を週3回(入浴介助、長女が留守の時の調理)、通所リハビリテーションを週1回、配食サービスを週1回利用している。居宅介護サービス計画の方針は、Fさんの体調に考慮しながら、住み慣れた自宅で安心して暮らせるように支援することである。ある日、長女から「お弁当を食べていないことが時々ある」「お父さんが重くて腰が痛い」「そろそろ施設入所を考えている」と話があった。

訪問介護員(ホームヘルパー)はFさんの声が小さく、言葉がはっきりせず聞き取りにくくなったと感じている。



問題67 訪問介護員(ホームヘルパー)は、居宅介護サービス計画の変更を提案したいと考えている。

Fさんの主観的情報を得る方法として、正しいものを1つ選びなさい。

1 体重を測定する。

2 Fさんの考えを聞く。

3 食事摂取量を確認する。

4 表情から気持ちを推測する。

5 長女に息子の協力の有無を聞く。




正答:2


2016年1月12日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題66







問題66 介護過程の評価の実施に責任を持つものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者

2 家族

3 介護福祉職

4 医療関係者

5 行政機関



正答:3

2016年1月11日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題65







問題65 訪問介護員(ホームヘルパー)が介護計画に基づいて、いつものようにEさん (80歳、男性)に「一緒に洗濯物を干しましょう」と声をかけた。するとEさんが「どうしてそんなことをやらないといけないんだ」と大声をあげた。このようなことが何回も続いた。

この場面の訪問介護員(ホームヘルパー)のアセスメント(assessment)として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症(dementia)の診断を急いでもらう必要がある。

2 声が外に漏れないように工夫する必要がある。

3 大声をあげる背景を確認する必要がある。

4 決められたことなのでやってもらう必要がある。

5 家族から励ましてもらう必要がある。




正答:3

2016年1月10日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題64







問題64 介護計画に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。


1 生活課題を解決するための方法を計画する。

2 効果があればアセスメント(assessment)せずに計画する。

3 日常的な支援以外の方法を計画する。

4 介護福祉職の過去の成功体験をそのまま取り入れて計画する。

5 実現不可能でも目標を持って計画する。





正答:1

2016年1月9日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題63





問題63  Cさん(83歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)で、介護老人保健施設に入所している。最近、もの盗られ妄想がひどくなり、「時計がない」「金の時計だから盗まれた」「嫁が盗んだに違いない」と言い、週末に訪れる長男の妻のDさんに対して大声で、「返して」と言っている。

Cさんへの介護目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 行動・心理症状(BPSD)を改善する。

2 Dさんの汚名を晴らすことができる。

3 Dさんと穏やかに過ごすことができる。

4 説明を受けて理解することができる。

5 興奮時は薬で鎮静を図る。




正答:3

2016年1月8日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題62





問題62 Bさん(80歳、女性)はアパートの3階に一人で暮らしている。アパートにはエレベーターはない。5年前、階段で転倒し、右(みぎ)大腿骨頭(だいたいこっとう)置換術(ちかんじゅつ)を行った。現在、歩行には問題がない。社交的であったが、最近外出の回数が減った。友人が転んで大けがをしたこともあり「転びそうで怖い」と言っている。

Bさんへの生活支援の課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 アパートにエレベーターがないこと。

2 転倒の不安があること。

3 一人暮らしであること。

4 手術の既往があること。

5 外出の機会が減っていること。

 


正答:2

2016年1月7日木曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題61











問題61  アセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 今できている活動の分析はしない。

2 これからできそうな活動の予測はしない。

3 利用者が嫌がることは検討しない。

4 他職種からの情報は検討しない。

5 1つの情報だけで検討しない。




正答:5


問題61~問題68は介護過程です。



アセスメントに関する過去問題 正答

問題

1 アセスメントは適切な援助計画を作成するために行う。

2 アセスメントは利用者の問題状況や、解決すべき課題について把握することである。

3 アセスメントは利用者の抱える生活問題だけでなく、その人の自助能力にも目を向ける。

4 アセスメントでは家族や友人、近隣、専門家から利用者に関する情報を収集する時は、あらかじめ利用者の了解を得ておくことが重要である。

5 アセスメントでは利用者を取りまく人間関係や組織、機関との関係性を視覚的に把握・理解する方法としてエコ・マップを作成する。

2016年1月6日水曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題60







問題60 介護老人福祉施設で臨終期にある人の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 昼夜の区別を明確にするような照明にする。

2 定期の入浴を行う。

3 夜間の巡回は控える。

4 安楽な体位を保持する。

5 仲の良い入所者の面会を控える。




正答:4





解答

×1:今さら昼夜の区別を明確にするような照明にしなくてもいいです。

×2:入浴は体に負担がかかります。しかし、臨終間近になると汗が多く出るので、ぬるま湯で体を拭くようにしましょう。

×3:夜間の巡回は控えなくていいです。いつ症状が変わるかわかりません。

○4:臨終が近くになるにつれて、体の動きが少なくなります。自分で体位を変えられなくなります。同じ体位でいると苦しくなります。仰向けのままだと呼吸がしにくいです。鼻や口からの分泌物も出にくくなります。肩や頭をやや高くして、横向きにするなど安楽な体位を保持します。

×5:仲の良い入所者との面会は生き甲斐や喜びとなります。

2016年1月5日火曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題59







問題59  Aさん(80歳、男性)は、自宅で妻と二人暮らしである。糖尿病(diabetes mellitus)で通院していた。2年前、肺がん(lung cancer)が発見され、抗がん剤による治療を行っていたが、数か月前から効果が少なくなり中止した。骨転移(bone metastasis)による痛みがあり、麻薬性鎮痛剤を使用している。Aさんは、「できるだけ家で暮らしたい」と希望している。寝ていることが多いが、トイレには伝い歩きで行くことができる。食欲はなく、食事を残すことが多い。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんの日常生活について不安を訴えた。

 妻への訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「家では心配なので、入院しましょう」

2 「ポータブルトイレにしましょう」

3 「麻薬は怖いので、増やさないようにしましょう」

4 「好きなものを食べてもらうようにしましょう」

5 「なるべく寝ているようにしましょう」




正答:4

2016年1月4日月曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題58







問題58  安眠のための介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 午後に1時間以上の昼寝をするように勧める。

2 なるべく早い時間に床に就くように勧める。

3 日中、適度な疲労が得られる運動をするように勧める。

4 寝る前に熱めのお風呂(ふろ)に入るように勧める。

5 寝る前に緑茶を飲むように勧める。





正答:3


2016年1月3日日曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題57







問題57  2013年(平成25年)の「家計調査」(総務省統計局)における高齢単身無職世帯の家計収支に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 主な収入源は仕送りである。

2 主な支出は保健医療費である。

3 1か月の実収入は15万円を超える。

4 消費支出が可処分所得を上回っている。

5 非消費支出は5千円以下である。




正答:4

2016年1月2日土曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題56







問題56  片(かた)麻痺(まひ)のある利用者が着脱できる衣服を選択するときの助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 留めるボタンが小さいブラウスを勧める。

2 かぶり式のセーターを勧める。

3 股上(またがみ)の浅いスラックスを勧める。

4 伸縮性のないスラックスを勧める。

5 ウエストをひもで結ぶスラックスを勧める。





正答:2


2016年1月1日金曜日

介護福祉士試験過去問 第27回問題55






問題55  Mさん(77歳、女性)は一人暮らしである。半年前に転倒し、1か月間入院した。退院後は自宅にこもるようになり、週1回の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用するようになった。ある朝、訪問介護事業所に、別居の長男から「母が悪質商法の被害に遭っているようです」と連絡があった。訪問販売で3か月間に高価な和服を次々に買っていて、Mさん名義の預金が100万円近く減っているという。長男は、「ほかにも買っているかもしれませんから、母の部屋を探してください。買った和服は着る機会もないのでクーリング・オフをさせます」と言い、すぐにでも手続きをとりたい様子である。

 この日、訪問する訪問介護員(ホームヘルパー)の最初の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ほかにも被害がないかどうか、Mさんの部屋の中を探す。

2 クーリング・オフが可能かどうか契約書の日付を確認する。

3 Mさんに和服を買うようになった経緯を確認する。

4 Mさんに和服を買うことが浪費であることを説明する。

5 販売業者にクーリング・オフの連絡を入れる。




正答:3

一番にすべきことは、経緯を確認することです。それから対処方法を考えます。もしかしたら購入したい意志が本人にはあったかもしれません。